【D17】不妊主婦と幸せを運ぶテントウムシ
はじめてですかね、私がD17なんていう記述をしたの。
前回、不妊治療の末、採卵を行い、希望をかけた移植から『ダメでした』という結果を受け、生理が来て、17日目。本当に久しぶりに普通に夫婦でタイミングをとりました。まぁ、いつも排卵日は14日目くらいだし、残っている卵に希望を抱いているので(願うのはタダですからね)あまり深く考えずに久々に夫婦の営みを行い、仲良く過ごす、これ、大事だと思うわけですね。
不妊治療をしていると、妊娠するための性交しかしなくなり、喧嘩に発展することが多くなります。そう、妊娠=HAPPYではなく、妊娠=義務、喧嘩となっていることがたまにあり、そういうのって男性的にもツライと聞いていたので、何も考えずに仲良くすることも大事だと思い、あえて外した日に久々に夫婦の営みを行ったわけです。
そんな夜、ご飯を食べていたら、レタスのサラダの上に、テントウムシが。
虫嫌いな私的に、え、テントウムシ… なんでサラダに…なんですが、フランスでは、テントウムシは幸せを運ぶ虫として大切にされています。
パリの花屋で研修していたときに、店長が言っていたんです。お客様に幸せが届くように、と。テントウムシのクリップを付けてあげるんだ。
その話を覚えていたので、あ、ちょうどタイミングとったし…
なんて、思っていたら、旦那がティッシュでつまんで、キッチンの三角コーナーにポイッ。サラダを洗って、すっとテーブルに何事もなかったかのように並びました。うん、いや、いいんだけど。
もそもそとサラダを食べていたら、テントウムシが気になり…
「テントウムシ、殺しちゃった・・・?」
私の意外な問いに、旦那もビックリ。虫嫌いの私が、テントウムシの安否を確認するだなんて!!! いや、まだ生きている、とのことだったので…
「フランスでは、幸せを運んでくれる虫なんだよ。逃がしてもらってもいいかな?」
旦那はビックリしながら、捨てたテントウムシをティッシュごと広い、そっと開くと、まだ生きていたようで… もう真っ暗でしたが、窓を開けて外に放してくれました。
なんかね、こう、テントウムシ、殺しちゃダメな気がしたの。いや、私、日本人だけどさ。なんか、こう、ね、気になるときってあるじゃない。
そんな日の夜でした。
忘れもしない、朝3時58分。猛烈な寒気に襲われ、トイレに起きました。トイレの電気に照らされた私の両手は薄紫色になっていました。ガタガタと震え、とりあえず水分補給をして、上にヒートテックのハイネックを着込み、更にモっコモコのパーカーを着込み、タオルケットに布団、その上に毛布を引っ張り出してきてかぶり、震えながらベッドに入りました。隣で眠る旦那は明日も朝からもちろん仕事。こんな時間に起こすわけにはいかず、私は2時間近く寒さに震えながら朝を迎えることになりました。
朝、真っ青な顔の私に、旦那が何事かと聞いたので、状況を話し、もしかしたら投薬治療の影響で排卵が遅れたのかも。とか、適当にポジティブなことを話し、笑って終わりました。
が。未だにそれが何だったのか分かりません。
私の不妊は原因不明です。卵を摘出して、体外受精したことにより、卵が死んでなかったことは確認されました。旦那の精子も問題ありませんでした。
考えられるのは…、
① 私の老いで卵の状態が悪い でも、40代でも自然妊娠する人もいるわけですから、当たり外れがあるのでしょうか。
② 卵を排卵したあと、卵管が卵をキャッチできずにいる。この部分については、今の医学では検査もできなければ機能しているのかも把握できないそうです。
多分、どんくさい私ですから。卵をキャッチすることが出来ないのでしょう。やる気のない私ですから。卵もすぐ諦めるのでしょう。面倒くさがりな旦那ですから。精子も最後は諦めるのでしょう。と、適当に話しては凹む。
そんな私が、私たちのサラダに隠れていたテントウムシに情けをかけたからといって、妊娠するかと言ったら、それは奇跡に近いわけです。どんな治療をしてもダメだったんだもん。テントウムシ助けて妊娠するなら、何匹でも助けるわ。
それでも。幸せを運んでくれないかなぁって思ってしまう私が、ここにいたりする。
もう少しで久々の不妊治療専門の病院です。今後のことをご相談に行ってきます。
勿論、申請した給付金は手紙すら届きません。
でも、いただけるだけありがたいので文句は言いません。
菅首相が不妊治療費の保険適用について言及していたようで(私は席を外していて見れませんでしたが)もし、本当なら頼むから早くしてくれ。
新内閣の人事なんてどうでもよくて。卵があるうちに、苦しんでる子供の欲しい人間を助けてほしい。お金がないと子供が出来ないなんて、悲しすぎるでしょう。本当か嘘かは知りませんが、韓国では不妊治療費はタダだそうです。なんて素敵な国でしょう。
法改正をお願いします。
もっと、子供が欲しくてたまらない人に優しい世界になってほしい…
苦労していない人は、簡単に言います。すぐできるよ。出来ないから不妊なんです。こどもすぐ出来ちゃうから、卵管縛ったの。羨ましい話です。結婚何年目だっけ?まだ?作らないの? 作らないんじゃなくて、出来ないんです。早く孫の顔を見せてあげなよ。見せてあげたいけど、出来ないんです。本家の嫁だもんね、後継ぎ産まなきゃね。…出来なくてごめんなさい。こどものいない人達が税金沢山払えばいいんだよ。お金かからないでしょ。…子供がいないからこそ、お金がかかるんです。不妊治療費全額負担ですから。女の義務なのに、なんでこども産まないんだ。だからさ、欲しくても出来ないんだって!体外受精だって、いくらかかると思ってるの??
結婚しろよ!からの、子供産めよ!
言い方が強くても、弱くても。
苦しんでる人の心に刺さる事だけは知ってほしい。
あのテントウムシが、
不妊治療に苦しむ人々に幸せを運びますように。