SDZs #1 お題

 「縛り」というのは、一見制限を設けているようである程度自由にやるのには必要なんじゃないかと思っている。ルールや罰則、お題やテーマなんかも同様に、事を円滑に進めるためにはこうした縛りが重要な役割を果たしている。と、感じる。

 それに対し、ルールやテーマなんかを取っ払って「自由にやりましょう!」みたいなのはかえって難しい。フリートークもフリーの名を冠しながらある程度前もって練られた話であるように、1から10まで自由にどうぞ!と言われて本当に自由にやらせたら収拾がつかなくなるのは目に見えている。
 そもそも、とっかかりかない以上どのように計画を立てるか、どこから始めるか、というところから考えなければいけない。これが難しい。

 というか今がその状況である。どうしたもんか。

 お題を決めるのはそう難しいことではない。なんなら、辞書でもパラパラとめくって適当なページで指さした単語をお題に書き始めてもいい。そう、書き出すだけならなんら問題はない。
 問題は、このお題で書き始めて面白いのか?という疑問でつまづいてしまい書くのをやめたり、丸々書き直してしまうことだ。
 別にこれを誰かに読ませるわけではないし、これで金銭のやりとりをすることもない。ただ単に練習として書いているだけだ。でも気になってしまう。果たしてこのお題で書き出していいのだろうか、もっと面白かったり、筆の進みやすい題材があるんしゃないだろうか……書き終えてもいないのに、余計な悩みばかりが増え、終いには放り投げてしまう。もはや悪癖といえよう。

 クオリティはさておき、作品を完成させることは大変なことである。そして、作品を作り上げていると、どうにもクオリティのことが頭にチラついてしまう。数多の評価軸で筆を折る前に、「お題通り」というのは一種の妥協点で作品を世に送り出すのも一つの手なのかもしれない。

 まぁ、私の駄文はそれ以前の問題なのだが。