【モノトーン・ミュージアム】(F.I.N. 2024年2月例会レポート)

2024年2月11日に開催された、TRPG circle F.I.N. 2月例会にてモノトーン・ミュージアムのGMをしました。

今回は『聖なる歌姫と沈黙の魔女』のシナリオを実施しました。

※注意
こちらはプレイログになりますので、本レポート内にはシナリオのネタバレが含まれることがございます。
閲覧の際はご注意ください。

☆TRPG circle F.I.N.についてはこちらをご覧ください

プレイログ

◆プレイヤー

PL1. ムスタファ・ベドウィン
サンプルキャラクター『名もなき旅人』の戦人、旅人
17歳の青年で灼砂砂漠の部族の出身。婚約者である『ネフェル=トゥアレグ』の声を沈黙の魔女に奪われてしまったため、その声を取り戻すべく旅をしている。

セキエンのことは同志だと思っている。

PL2. シアン
サンプルキャラクター『御標の守護者』の僧侶
16歳の女性で生まれながらの聖職者。かつて神を裏切るような内容の御標が下ったためそれに背き紡ぎ手となった。

ムスタファのことは尊敬している。

PL3. セキエン(石宛)
サンプルキャラクター『守護の騎士』の戦士
年齢不詳、見た目は女性と思われる謎の人物。人間と其達のハーフで、母親はだれか分からず人間の父親にいろんなわらべ歌を聞かされ育てられた。母から頭に鉢をかぶされており、いつかその鉢が外れる御標が下るのではないかと愛馬の「筴子丸(きょうしまる)」と旅をしている。

シアンのことには興味を持っている。

◆ストーリー

ムスタファはとても強い青年で、部族の長であるトゥアレグ家の娘ネフェルとの結婚も認められつつありました。そんな中、ネフェルは沈黙の魔女に声を奪われてしまうのでした。ところがある日、沈黙の魔女を打ち破る御標が下ります。
ムスタファはネフェルを心配させないようにするためにも、気丈にふるまって土産は何が良いかを尋ねると、ネフェルはムスタファの手に「あなたが良いと思ったものが欲しい」と書くのでした。

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歪んだ御標が下され、広場に到着した異端審問官がソプラノを捕らえようとします。
セキエン「罪のない人から声を奪う。あなた方の信じる神はそんなに残酷なのですか?
異端審問官のプロントは神を熱狂的に信じ自分を疑わない男。その言葉に戦いの火ぶたが切って落とされたのでした。

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昼間に魔法使いたちがこの国に訪問しに来ている大魔法使いトロネア・ヤーノシュに会いに行く様子をみていたので、ソプラノを救出した3人は沈黙の魔女の居場所を突き止めるためトロネアの元を訪ねるのでした。
そこでトロネアから沈黙の魔女がいそうな場所のヒントとともに、沈黙の魔女がかつて明るく歌が好きだった魔女であったが、両親が殺されて心を閉ざしてしまったという悲しい過去の話を聞くことになるのでした。

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沈黙の魔女の居場所を突き止めて、いよいよ最終決戦。シアンがつぶやいた「ソプラノに歌ってもらっては?」という提案に何かを思いつくソプラノは一旦メンバーと別行動をとるのでした。

沈黙の魔女 タチェットとの闘いは熾烈を極めました。その時、ソプラノが歌声の国の民を引き連れて応援歌を歌うという演出が入ります。その勇気が湧いてくる大歓声の歌声により、プレイヤーたちのクリティカル値が下がり、沈黙の魔女は狼狽を受けるようになりました。

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チャンスをつかんだ3人は、見事沈黙の魔女を倒しました。
一筋の涙を流し崩れ去っていくタチェット、そこにセキエンが静かに歌いだす。それはかつてタチェットが好きだったまじないの国のわらべ歌でした。優しい歌声が流れゆく中、崩れ行くタチェットの口がすこし動いたように見えました。心を閉ざし、口を開くことをやめてしまった彼女が死にゆく前に最後に見せた感情だったのかもしれません・・・

セキエンは悲しい過去をもつタチェットにかわいそうだという感情が芽生えます。エンディングでふと西の墓地のタチェットの居た場所を訪れると、タチェットの腕輪が見つかります。終始を見ていたトロネアはセキエンを連れてタチェットの生まれ故郷であるまじないの国にある、彼女の両親が埋葬されている墓に向かいました。腕輪を墓に納め静かにまじないの国のわらべ歌を歌いだすセキエン。歌声はまじないの国に響き渡り、曇った空から晴れ渡る日の光が差し込むところでシーンが終了しました。

一方、沈黙の魔女を倒したムスタファは部族に戻りネフェルに会いに行くのでした。声を取り戻したネフェルは嬉しそうに「おかえり」と声をかけます。ムスタファは物語の最初にネフェルにお土産を買ってくる約束をしていました。そのお土産の箱を開けるとなんと指輪が入っていました。
曇った空からさした日の光が指輪の宝石にあたると、宝石の光が反射して壁に文字を描き始めました。
「沈黙の魔女を打ち破った青年は、声を取り戻した大切な人と結婚し、いつまでも幸せに暮らすのでした。めでたしめでたし。」

◆総括

今回は沈黙の魔女の過去を知ることができるルートを通りましたが、このストーリーは『ラスボスに感情移入をさせてしまうとプレイヤーがラスボスを倒しにくくなる』というジレンマを抱えています。
今回はセキエンさんが「魔女は倒すけれども、ちゃんと弔ってあげたい」という思いを伝えてくれましたので、急遽沈黙の魔女が死ぬときに腕輪を残す描写を入れました。それを彼女の墓に入れ歌を歌うことで弔いとするという綺麗な終わり方につなげてくれてとても嬉しかったです。
また、今回は新しくサークルにTRPGをあまりプレイされたことがない方が参加されて一緒にプレイしましたが、経験が少ないとは思えないほど素晴らしいロールプレイをされていてびっくりしました。オープニングの伏線をエンディングでしっかりと回収する流れの作り方にとても感動しました。
キャラクターの設定をいろいろと作りこんでそれを教えてもらえると、GMとしてもストーリーの流れを作りやすく、しかもそれがプレイヤーがやりたい流れに自然とつながっていくのを感じました。ストーリーを作るのはGMではなくプレイヤーであるということをF.I.N.のメンバーから聞いたことがあったのですが、まさにこのことだと実感しました。また一つ大きな学びです。

・・・、あとこれは完全に予想外だったのですが、シアンさんがプロントの立ち絵とキャラクターをえげつないぐらい気に入ってしまうということが発生しました。自分が作り出したキャラクターを気に入ってもらえるのはとても嬉しい事です。ですが、アフタープレイ中もずっと「プロントさん」と連呼する様子を見て私はこう思ったのです。

このストーリーの最大の失敗は、脇役の敵をイケメンにしてしまったことだった・・・と。

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