生誕100年 叔父・池波正太郎の美食と癇癪 石塚綾子
今年は、私の叔父、池波正太郎が大正12(1923)年1月に東京・浅草の聖天町(しょうでんちょう)(現在の浅草七丁目あたり)で生まれてから、ちょうど100年です。
ちなみに池波正太郎というのは筆名ではなく本名です。67歳で亡くなったのは1990年ですが、いまも『鬼平犯科帳』をはじめ、『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』などの作品は、多くの方が読んでくださっています。 私は池波正太郎を「おじちゃん」と呼んでいました。おじちゃんの作品が、時代を超えて愛されるのは、身内の者として本当にありがたいことです。これまで私は、ほとんど表に出ることはありませんでしたが、この節目の年に、文藝春秋で叔父の担当を長く務めてくれた彭(ほう)理恵さんを相手に、私が見た叔父の素顔をお話しすることにしました。
ここから先は
6,949字
/
3画像
noteで展開する「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。同じ記事は、新サービス「文藝春秋 電子版」でお読みいただけます。新規登録なら「月あたり450円」から。詳しくはこちら→ https://bunshun.jp/bungeishunju
文藝春秋digital
¥900 / 月
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に配信。月額900円。(「文藝春秋digital」は2023年5月末に終了します。今後は、新規登録なら「…