エネルギー危機を救う新型炉 橘川武郎
昨年8月、岸田文雄政権が年末までに政治決断を下すテーマの一つとして「次世代革新炉の開発・建設」を取り上げたことに対し、一部のメディアは、「原子力政策の転換だ」と大々的に報じた。しかし、筆者は、「政策転換」と判断するのは時期尚早だと考える。誰(どの事業者)が、どこ(どの立地)で、何(どの炉型の革新炉)を建設するのかについて、まったく言及していないからである。結局、昨年末時点で岸田政権は、既設原子炉の運転期間延長については、運転休止期間を計上しないことで、事実上、60年超運転も可能にするという新方針を打ち出したが、肝心の次世代革新炉の建設については、具体策を打ち出すことはなかった。
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