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紫苑 「年金月5万円」で暮らすということ 巻頭随筆

文・紫苑(ライター)

©iStock.com

このところ年金の問題が再びクローズアップされています。若い人の年金保険料が負担になっていること、受給額が徐々に減っていることなど、年金制度ができて80年、何度か改正されたものの制度の狂いが出始めています。

そんな背景からか、拙著『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』が幸い版を重ねています。「紫苑」はブログのハンドルネームです。コロナ禍のなか、少ない年金と初めて向き合い、これはヤバいと日々の節約、工夫をブログにアップ、それが新聞や雑誌などで取り上げられ、書籍になったものです。

本では少ない年金で一人暮らしをするための工夫、主に月1万円の食生活について述べています。

フリーランスで子ども2人を育ててきました。遠い老後を考える余裕もなく、月1万円強の保険料を払い忘れたことが何度かあり、そのせいで月に支給される額はわずか。受給額の平均は約5万6000円ですから平均より下回っている。それでもなんとか暮らしていくしかありません。

基本は支出を収入より少なく。支出の見直しから始め、高額療養費返還をあてにして医療保険料2万円をカット。病気予防のため食生活を改善、ここが一番の工夫のしどころでした。

加えて食費1万円には条件を付けました。

①一人でも三食ちゃんと食べる

②美味しく栄養のある料理

1万円でこの条件はハードルが高いと思われますが、試行錯誤を繰り返すこと数か月、条件に適うと選んだ食材はいわし、鶏胸肉など、多くのアスリートがパフォーマンスを上げるための「アスリート食」と同じだったのです。

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