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世界経済の革命児 ジャック・ドーシー(ツイッター共同創業者CEO)|大西康之
ジャーナリストの大西康之さんが、世界で活躍する“破格の経営者たち”を描く人物評伝シリーズ。今月紹介するのは、ジャック・ドーシー(Jack Patrick Dorsey、ツイッター共同創業者CEO)です。
ジャック・ドーシー
トランプをやり込めるパンクな喧嘩屋
秋の大統領選で再選を目指すドナルド・トランプが、目下、最も目の敵にしている経営者と言えば、この男。ツイッターの創業者で現CEO(最高経営責任者)のジャック・ドーシーだ。
新聞、テレビといった既存メディアを「フェイク・ニュース」と批判するトランプは、自分の考えをツイッターでつぶやく。しかしこの数カ月、お気に入りのツイッターから“猛攻撃”を受けている。
5月26日、トランプが郵便投票の制度について「不正の温床。投票箱が盗まれ、改竄され、投票用紙が違法に印刷される」とつぶやくと、すぐさま、その下にツイッター側から「ファクトを確認してください」という警告文が現れた。
贔屓にしてきたツイッターに手を噛まれたトランプは逆上した。
「保守派を沈黙させようとするソーシャルメディアプラットフォームを規制するか、閉鎖してやる」
トランプ陣営はツイッターでコンテンツ品位管理の責任者ヨエル・ロスについても「左寄りのバイアス(偏向)がある」と批判した。
ドーシーはこれに猛然と反発した。
「会社としての行動の最終的な説明責任は全て私にある。社員を巻き込むな!」
「これからも選挙に関する誤情報について指摘していく。我々は“真実の審判者”になりたいわけではなく、対立する発言を整理して人々の判断を助けたいだけだ」
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