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レベッカ・ウラッグ・サイクス著、野中香方子訳「ネアンデルタール」
文・角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)
彼らも最新技術を備えた人間だった
ホミニン(ホモ・サピエンス以外の絶滅した人類)というのは、どうにも気になる存在だ。初期のホモ・サピエンスは、きっと面白い体験をしたにちがいない。どこか知らない土地に旅して、そこで暮らす別の人類種と出会う。そのときどんなやり取りがあったのか。なかでもネアンデルタール人は別格の存在だ。最近(4万年前)まで生きていたのに、なぜか消えてしまった隣人には、そこはかとない悲しみとロマンが漂い、他人事とは思えないのである。
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