淀川長治 名前を呼ばれて
戦後、映画に魅せられた中学生だった私の道案内は雑誌でした。中でも「映画の友」は、ゴシップもなく純粋に新作映画を楽しく紹介してくれるもので、いちばん愛読していました。そんな大好きな雑誌の編集長が淀川先生だと意識したのは、私が映画字幕翻訳家を志して、清水俊二先生の押しかけ弟子になっていた頃です。試写室へ清水先生にくっついて行くと、南部圭之助さんや双葉十三郎さんという映画評論家の御歴々の中に淀川先生も座っていらしたんです。清水先生は同世代の淀川先生と「やあ!」なんて挨拶しては映画の話に花を咲かせます。
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