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【連載】EXILEになれなくて #8|小林直己
第二幕 EXILEという夢の作り方
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二場 HIROの「人を動かす力」
三代目 J SOUL BROTHERSは、EXILEの思いを受け継ぐ、新たなグループとして誕生した。EXILEの前身となったグループ、J Soul Brothersの名前を受け継いで、EXILE新メンバーとなった二代目J Soul Brothersに続き、2010年に三代目として、誕生した。
僕と、NAOTOがリーダーとして、 EXILEと兼任する形で在籍している。そして、プロデューサーとしてHIROが立ち、EXILEでの経験を落とし込みながらも、時代に合わせたアレンジを加えながら7人のメンバーで活動している。ちなみに、リーダーとはいっても、私の感覚では、名ばかりといっても過言ではなく、どちらかというと「現場監督」というような存在であり、僕自身は、 HIROがリーダーという感覚がある。
僕は、学生時代からバンド活動や弾き語りをしていたことがあり、シンガー・ソング・ ライターという存在に、憧れに近い気持ちを抱いていた。自らの心の内を、自らが生み出した楽曲で、世の中に叫んでいく。その一連の行為でしか伝えられないものがあり、そのリアリティに敵うものはないと感じていた。しかし、三代目 J SOUL BROTHERSは、真逆のグループだった。 EXILEの意思を受け継ぎ、名前までも引き継ぎ、そのEXILEに憧れた7人のメンバーが、グループを結成した。この10年間を振り返ると、前半は特に、HIROが指し示すビジョンのもとで、活動を続けていた。
メンバーは、デビュー当初からドームツアーを夢見ており、ミリオン・ヒットや楽曲がランキング1位になることを想像してきた。初めて体験する現場の数々に、楽しみ、そして、時に苦しみながら、一歩ずつ歩んでいた。EXILEという存在を間近に感じることができる環境で、EXILEの夢の一つ一つがかなっている姿を間近で見て、EXILEメンバーや関係スタッフに直接関わることで、三代目メンバーそれぞれが抱いている途方も無い夢に対しても、現実感を感じることができていた。
デビュー当時から見ていた途方も無い夢は、結果的に、EXILEの思いを受け継ぐ上でも必要な規模感であり、三代目にとっても、活動を行なっていく上での良いモチベーションとなっていた。
HIROのプロデュースの特徴は、メンバー一人一人の思いや感覚を、具体的な形にすべく様々なプロジェクトに落とし込み、人と人とを繋ぎ、コーディネートしていくことである。また、 アーティストとしてだけでなく、人として成長していくことを大切にしている。
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