エドガー・A・ポーター/ランイン・ポーター著、菅田絢子訳「戦時下、占領下の日常 大分オーラルヒストリー」
異邦人が訊く“戦争”
著者のエドガー・ポーターは、別府市所在の立命館アジア太平洋大学で2006年から2016年まで教鞭をとった、中国を専門分野とする歴史研究者である。第2次大戦終結後に、同地にアメリカが占領軍本部を置いたことを知って調査・研究を思いたった。共著者である妻のランイン・ポーターは、作家・翻訳家で、夫とともに日本に滞在した。別府外国人観光客案内所でボランティアとして活動を始めたところ、リタイア世代の同僚たちから折々に聴く、戦中戦後の暮らしぶりに感銘を受けたという。両人の興味と熱意が、1930年代から50年代初めにかけて――戦争と占領時代の県内民間人の体験の聞き書きという、オーラルヒストリーの試みとして結実したのが本書である。
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