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庄司紗矢香 カミュは最も重要な作家
文・庄司紗矢香(ヴァイオリニスト)
好きな本について話した事は何度かある。しかし、人生を決めるほどの影響力を持つ本、繰り返し読みたくなる本は数少ないのではないだろうか。
読んでから影響を受けた、と言えばそうだし、もしくは最初に読んだときから、その世界観にピッタリと“はまる”感覚があったとも言える。小さい頃から本と音楽が自分の居場所と感じていた。
でも、しっくりしない本は途中で読むのをやめてしまう。反対に気にいると、次から次へと同じ作家のものを読み、その中に出てくる作家や著書の名をノートにメモして、玉突きの様に次に読みたい本の世界が広がっていった。
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