花森安治 「戦争犯罪人」と「暮しの手帖」
「暮しの手帖」は終戦の3年後に創刊されました。NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデルとなった大橋鎭子さんが社長、父が編集長でした。衣食住の生活情報が中心で、企業広告を掲載せず公平な目で評価する「商品テスト」も話題でした。まさに、戦争体験を元にした父の強い思いを形にした雑誌でした。
父は東京帝国大学を卒業した1937年、召集令状が届いて陸軍に入りました。北満州で過酷な軍隊生活を送るうちに、肺浸潤(肺結核の初期)を患った。父は戦地のことは何も語りませんでしたが、「同じ帝大卒の軍医が親身に診てくれたから帰国できた」とだけ話していました。
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