目耳口_今月の美味しい情報

目・耳・口<今月の”美味しい”情報>

▼〔野趣あふれる料理〕

 宮崎県の景勝地・高千穂峡では、古くから、囲炉裏で山鳥の丸焼きを楽しんでいた。

 その伝統を今に伝えるのが、「あららぎ乃茶屋」の『鳥の丸焼き』だ。20羽の鶏を丸ごと一度に焼くことができる大窯で、4時間かけてじっくりと焼き上げる。丸焼きなので、モモ肉、胸肉など、いろいろな部位を楽しめる。どの部位もしっとりと柔らかだ。味付けは塩だけなので、鶏肉の美味しさがよく分かる。オーブントースターで温めれば、皮がパリッと仕上がり、いっそう美味しくなる。野趣あふれる高千穂峡の名物料理だ。1羽3600円(税込)。

(問い合わせ先・あららぎ乃茶屋 ☎0982-72-2201)

▼〔寒い冬はスープを〕

 北海道北見市はタマネギの収穫量が日本一であり、「北見たまねぎ」のブランド名で全国の食卓を支えている。

 同市の「グリーンズ北見」は、北見たまねぎの規格外品の有効活用をおこなっており、『オニオンスープ』は発売から30年以上、同社の看板商品となっている。北見たまねぎのエキスを粉末化したオニオンエキスパウダーを40%以上使用し、タマネギの風味がしっかりと感じられる。

 他にも、地域の名産品の『ゴボウ』、バター風味が効いてなめらかなとろみの『じゃがバター』など。どのスープも豊かな味わいで、3種を詰め合わせた『スープ・アソート』(28本入り1080円、税込)がおススメ。粉末状の『プレミアムポタージュ』も2種類あり、『白花豆のポタージュ』と『帆立のポタージュ』はちょっと贅沢な味わいとなっている。

(問い合わせ先・グリーンズ北見 ☎0157-36-3611)

▼〔雛祭りの郷土菓子〕

 尾張地方で桃の節句に供えられる郷土菓子に、「おこしもの」というものがある。米粉を熱湯でこね、雛人形や鯛、桃の木型でかたどりした後、蒸籠(せいろ)で蒸し上げ、食紅などで色付けする。食べる時は火で炙り、焼き立てに砂糖醤油をつける。

 名古屋市の「長寿園」が販売する『おこしもん』(4個入り970円、税込)は、専用の木型を使い、雛祭りの時期の4日間のみ作られる。生地はもっちり柔らかだが、シコシコと歯切れもよい。米の香りが食欲をそそり、砂糖醤油の香ばしさと甘辛い味に懐かしさを感じる。夫婦2人だけで営む小さな店ゆえ、品切れはご容赦を。

(問い合わせ先・長寿園)

▼〔ミカンを手軽に〕

 静岡県沼津市の西浦・内浦・静浦で生産される温州ミカンの一種に、「寿太郎みかん」がある。前年の12月頃に収穫したミカンを、貯蔵庫で温度と湿度を一定に保ちながら保存し、1カ月以上熟成させて糖度を上げてから市場に出すという。

 この寿太郎みかんを一年中味わえるように開発したのが、「JAなんすん」の『寿太郎みかんの実』だ。寿太郎みかん特有の糖度の高さと濃厚な甘みを生かすためにライトシロップで仕上げ、手軽に扱えるパウチ袋に詰めた。小ぶりの実に、酸味と甘みのバランスのよいミカンの美味しさがギュッと詰まっている。気軽にプリンやヨーグルトに添えたりと、便利な一品だ。12袋入り4700円(税込・送料込み)。

(問い合わせ先・JAなんすん ☎0120-102-146)

▼〔タオルでインフル予防〕

 新潟県十日町市のタオル専門店「タオルのかみしん」は、インフルエンザ感染予防に役立つタオル『カカラーヌ』を企画・販売している。広島大学大学院で開発された抗菌・抗ウイルス成分のEtakがタオルに含まれており、洗濯乾燥を50回おこなっても効果は持続する。

 生地は厚手で、長さは110センチ。ワインレッドやベージュなど6色を販売するが、巣鴨の「赤パンツ」の影響で、赤色も売れ行きが良い。今治市の老舗タオルメーカーが製造を担当しており、吸水性に優れた高品質のタオルでもある。タオルソムリエ資格を持つ店長の樋熊秀行さんは、「便利な高機能タオルを目指しました」と語る。価格は1980円(税込)。公式通販サイトや店舗で販売されている。

(問い合わせ先・タオルのかみしん ☎025-752-2706)

▼〔家庭を考察する〕

 例えば、少子化にLGBT――。新たな時代を迎え、明治期に誕生した家庭・家族という概念、そして社会システムは過渡期を迎えている。はたして、血のつながりだけが家族なのか。

 広島市現代美術館で開催中の特別展「アカルイ カテイ」は、時代ごとに姿を変えてきた日本の家庭を題材にした展覧会だ。明治大正から1980年代生まれまでの11名の美術作家の作品を通じ、時に歪(いびつ)な一つ屋根の下の風景を浮かび上がらせる。「明るい家庭」とは一体。その答えはきっと、家族の数だけある。3月1日まで。午前10時から午後5時開館(入館は午後4時半まで)、月曜休館(但し、24日は開館、翌25日に振替休館)、観覧料一般1200円。

(問い合わせ・広島市現代美術館 ☎082-264-1121)



【編集部よりお知らせ】
文藝春秋は、皆さんの投稿を募集しています。「#みんなの文藝春秋」で、文藝春秋に掲載された記事への感想・疑問・要望、または記事(に取り上げられたテーマ)を題材としたエッセイ、コラム、小説……などをぜひお書きください。投稿形式は「文章」であれば何でもOKです。編集部が「これは面白い!」と思った記事は、無料マガジン「#みんなの文藝春秋」に掲載させていただきます。皆さんの投稿、お待ちしています!

▼月額900円で『文藝春秋』最新号のコンテンツや過去記事アーカイブ、オリジナル記事が読み放題!『文藝春秋digital』の購読はこちらから!

★2020年3月号(2月配信)記事の目次はこちら