チャットGPT時代の勝者と敗者 松尾豊
昨年11月に公開された対話型AI「チャットGPT」が世界的なブームを巻き起こしています。大きな注目を集めている理由は、驚くべき性能の高さ、会話の対象範囲の広さにあります。
従来の対話型AIは、こちらの質問の意味を汲み取れないことが多く、長く会話を続けることができませんでした。一方のチャットGPTは、インターネットから収集した大量のテキストデータを学習し、機械学習の一種である強化学習を上手く使っているため、より高度な会話が可能となったのです。その答えの精度にはまだばらつきがあるものの、どのような質問にも本当らしく回答ができ、冗談も言えてしまいます。
このようにAIが言葉を自由に扱えるとなれば、人間にしかできなかったことがいずれは次々と出来るようになる。チャットGPTの開発元であるオープンAI社と、ペンシルベニア大学の研究者らによる調査では、チャットGPTのような大規模言語モデル(大量のテキストデータを使ってトレーニングされた自然言語処理のモデル)によって、全労働者のうち約19%の人は、業務の50%に影響が出る可能性があるとのことです。
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