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現況届に署名押印する。その時に湧いて出る違和感。6/1追記あり

2020/6/1追記:マイナンバーカードを使った現況届の提出ができる地域もあるようです!

:追記ここまで

子育て世帯をバックアップしてくれる児童手当。それを受け取るためには、毎年現況届を提出しなくてはなりません。法律で定められた義務です。

この届けによって、今後の受給資格の有無や、課税情報の調査などが行われることになります。

課税情報の調査に同意するために、受給者とその配偶者がそれぞれに署名押印することが求められています。署名と押印。押印は認印で可。

契約ごとであれば、実印を押し、印鑑証明書を添えることで、本人であることがある程度担保できます。この作業には意味があります。ただ、最近は印鑑の偽造も容易になってきているとか。

他のことであれば、大抵の場合、「署名または押印」という具合に、どちらかでよしとされています。署名って、結構効力高いのですよ。ただ、この直筆署名も最近は偽造ができるとかなんとか…

ちなみに、認印というのはかなり広い範囲で効力が認められていますが、100均ショップでも簡単に手に入れられる時代に、今のレベルで効力が認められて良いのかというと、絶対にそんなことはないでしょう。

一方で、署名が本人のものであるかという確認は、その都度公証役場で目の前で書くことで証明をしてもらうという方法がありますが、日常的に利用するのは不可能と言えるでしょう。

じゃあどうしたらいいかと言ったら、なんと、電子署名が一番手軽ということになってしまいます。使えるようにするまではなかなか分かりにくいですが、一度セットアップを済ませてしまえば、その後の利用は難しくありません。現況届なら、マイナンバーカードについてくる公的個人認証サービスが活躍するでしょう。

ただまあ、電子署名を付与するには今のところパソコンが必須ですよね。日本のパソコン世帯保有率は、2017年に72.5%でした。(平成30年版 情報通信白書 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252110.html)

ペンと認印が合わせても数百円で手に入ることを考えると、大変なコストアップです。そりゃあ個人の電子署名は普及しないわ。でも、本人がこの書類を作成したという確かな証明をするには、実はこれが一番安いかもしれない。

現況届にそこまでの証明が必要かというと、どうなんでしょうね。役所が課税情報を調査する、その点が唯一引っかかるわけで、それだったらそんな調査なしで支給してしまった方が結果として安上がりということになりそうです。もしくは、現況届の提出が法律で義務付けられているのですから、課税情報の調査も受給者の同意がなくても可能にするとか。

技術が高度化して、本人を確認する手段がことごとく偽造しやすくなってしまった現代。本人確認を必要としない手続きの進め方を考えることも、重要になりそうです。電子署名に移行して支障がなさそうなものは移行を進めて、電子署名を求めるのが難しそうな書類は、署名無しでも必要な事務が進められるように制度を変えていかないと、この先どんどん面倒なことが増えてしまいそうです。やだやだ。

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