真実の奥の更なる真実……、の、その裏側にある真実。 - The cold case.-

……。それを奴が見抜くには、奴自身の言葉を必要とする。奴自ら何の気なしに吐いたその言葉を、必要とする形。

もし、願いが叶うのならば。
記憶を辿り、思いを馳せ、いつどこで何をしていてその言葉を吐いたのかを思い出してもらいたかった。もう今は既に諦めてるが。



地を出して一人称代名詞に俺を使い始めたことの理由へ、俺自身なんとなく、言葉にして答えを出せている。俺は、対外的な関係性を基に、人称代名詞を平気で使い分ける。何と思われようが知ったことか。少なくとも、俺は増田であり、亮太でもある。

……。奴には一切何も通用しなかった。つまり、俺は用済みであり、利用価値無しという判断が下ったということや。あくまでも俺目線での話であり、たとえ誤りにしても俺からでは真相究明に至らしむこと最早能わずと言えるが。


本当は、ずっとずっと前から悪癖をどうにかしたかった。この願いは未だに変わらない。
その悪癖が治まったところで奴にしてみりゃ腹の虫が収まることもなかろう、とは思うが。
それほどまでに、悔やんでる。俺だけが立場を弁えて己自身を抑制した上で話の本質を掴み理解さえしていれば、増田とは関わりたくないなどと直接言わせてしまう始末にはならなかったのに。



今も正直、鮮明に思い出せる。言われた際の状況を、鮮明に思い出せる。つまり、常に心に留め置いてるということや。俺にとってのシルバーブレットからの御言葉を、あれ以来、特によ。

あいつを俺がシルバーブレットと思ってる所以なんぞ誰かに直接明かしたこともないし、あの日以来到底信じてもらえやんかもしれんがな。信用性が消滅したからこその関係性断絶でもあるはずやし、その身にあるのは紛れもなく俺に対する拒絶心と不快感なわけやからよ。

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