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U-16プログラミングコンテスト石狩大会の集客失敗から学んだこと

はじめに

2020年10月18日(日)、この日はU-16プログラミングコンテスト石狩大会が開催されるはずの日でした。
この日開催されたのは、U-16プログラミングコンテスト石狩"模擬大会"
結果的に参加者は集まらず、プロジェクトに参加した学生による模擬大会という形で幕を閉じました。
この記事では、その失敗経験から学んだことを記録していきたいと思います。

もしかすると、同じように「地域でプログラミングコンテストをやるぞ!」「プログラミングのイベントを立ち上げるぞ!」という意気込みを胸に抱いている方には少しだけ参考になるのかもしれません。

U-16プログラミングコンテスト石狩大会についての詳細については、前回の記事をご覧ください。

また、模擬大会の様子はU-16プログラミングコンテスト石狩大会のWebサイトに掲載しています。
こちらもぜひどうぞ!

参加者を集めるために実行したこと

今回、U-16プログラミングコンテスト石狩大会の募集に当たっては、開催の1か月前に告知をはじめました。
その方法は以下の通りです。

Webサイトを開設
・ 石狩市内小中学校のすべての児童・生徒にチラシを配布
 →詳細情報はWebサイトへ誘導
・ 石狩市内にある道立高校には、ポスターを掲示
 →詳細情報はWebサイトへ誘導
・ YouTubeにコンテスト紹介動画をアップ
Twitterで大会についての発信

ターゲットとなる参加者(石狩市内在住の16歳以下)を集めるためのノウハウや接点が私たちにはほとんどなく、結果としてこれらの施策ではターゲットの心を動かすことはできませんでした。
ターゲットに情報は届いていたのか?という点については、チラシは市内小中学生全員に配布されていますが、WebサイトやYouTubeのアクセス数から考えると、チラシからWebサイトに情報を求めてアクセスしたケース自体が少ない(というか、ほとんどない)ということがわかります。

また、募集期間が短かったかも…という懸念もあるのですが、もっと長かったら集まっていたかどうかは不明です。
問い合わせすら1件もない状態だったので…。

なぜターゲットが興味を示さなかったのか?

これは、プロジェクトに参加した学生のPRに対する企画力の問題ではなく、そもそもコンテストのお知らせという情報によってターゲット自身が心を動かされないこと、コンテストに対する興味関心の薄さがあると思います。

ちなみに、石狩市内の小学校では3年前からプログラミング教育に対する試行錯誤が続けられ、どの学校も計画的に取り組む準備はできているはずです。
プログラミングクラブ、パソコンクラブのようなものもありますし、出前授業ではとても楽しそうにプログラミングに取り組む姿が見られていました。
また、中学校では壁新聞のテーマとして取り上げられたり、地域の児童館でも定期的にプログラミングのイベントを開いたりしていて、子どもたちがみんな全くプログラミングを知らないか?プログラミングに興味がないか?というと、そうでもない状況だと考えています。

私自身、自分の経験を振り返ってみた時、そういえば自分からコンテストに応募したことって1度もないな…とふと気付きました。
美術や書道の作品は、学校で応募するための作品を作るように言われ、全員分をまとめて先生が応募するスタイル。
中学校や高校では部活(吹奏楽部)でコンクールに参加していましたが、これも自分から応募するというよりも、その部活はコンクールに出ることになっているから当たり前のように出ていました。
アンサンブルコンテストやソロコンテストのような、部活でも有志が参加するような形のコンテストには1度も出たことがありません。

コンテストに応募するって、結構ハードルが高いし、勇気がいることだし、周りの後押しがないとなかなか難しいことなんですが、U-16プログラミングコンテストは初めて応募するコンテストという位置付けで気軽に出してもらえるコンテストにしたいという想いが強くありました。
とは言え、初めて実施するコンテストですし、誰も参加したことがないのに気軽に出せるというイメージを伝えることは難しいですね。

もしかすると、豪華賞品を全面に出してPRすると、それを目当てに応募してもらえるのでしょうか…?

「後押し」が不足した要因

ターゲットとなる子どもたちに、自発的にコンテストに応募してもらうことはとても難しいということはもともと予想していました。

今回、PRはえりすいしかりネットテレビさんにご協力いただいたり、市役所の方にもいろいろとご協力いただき、保護者の方へのPRを試みました。
また、石狩市内の小中学校の先生からも後押ししてほしいと、教育委員会にも働きかけました。
私が直接「お子さんが応募してくれるように後押しをお願いします!」とお話しできたのは、実は全て男性(お父さん)です。
協賛企業集めや、市役所との連携の場では、女性が入ることがなく男性ばかりでした。

一方、えりすいしかりネットテレビの方からは、「小中学生の参加を後押しするためにはお母さんに情報が渡っていなければ難しいのでは?」「お母さんがプログラミングやZoomでの参加の方法を理解できていないと難しいのでは?」というアドバイスをいただきました。

他に、他地域のU-16プログラミングコンテストの経験者からは、「学校が生徒をコンテストに出してくれるよう協力関係を持っておく必要がある」という話もありました。

学校に出向いての体験会等の施策が、今回はコロナの影響でできなかったこともあり、家庭(特にお母さん)から後押しいただくための有効な手立てを打つことができなかったことは、今回の集客に対する後押しが不足した大きな要因となってしまったと感じました。

集客のポイントは「お母さん」

今回、コンテストの集客のポイントはどうもお母さんが握っていそうだということがわかってきました。
特にオンラインのケースでは。

ということは、お母さんが「プログラミングなんてわからない」「Zoomなんてわからない」と思ってしまうと、子どものコンテスト応募への道が閉ざされてしまう可能性があり、逆にお母さんに「面白そうだから一緒にやってみよう!」と思ってもらえると、応募者が増える可能性が大いにあると思いました。

今回、運営者側、特に集客に関わったメンバーのほとんどが女性でした。
特に、PRの協力をいただいたえりすいしかりネットテレビさんや、藤女子大の教授からの「コンテストに応募する作品のイメージがよくわからない」「応募の仕方がこれではよくわからない」という率直なご意見や、学生の皆さんの反応、模擬コンテストの応募作品制作の様子などを見ていて、女性主体で地域にプログラミングコンテストを作っていくことに対する新たな可能性をひしひしと感じました。

集客失敗を通じて学んだこと

結論として、16歳以下の子どもがプログラミングを学び、発表する機会を地域に作るためには、その地域の大人たち(特にお母さん)がプログラミングやITに対して知識(自分でもできる!楽しい!)を持つこと、大人と子どもが一緒に取り組めるような環境を提供し続けることが重要であるということを改めて学びました。

まだまだ世の中のプログラミングコンテストの運営主体は男性中心です。
石狩市で、藤女子大と共に、もっと女子大生やお母さんが積極的に参加するプログラミングコンテストを作っていくことを次の目標に、今回の失敗を生かしていけたらと思います。

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