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文豪の始祖鳥、なぜ毒扇子を振るのかを語る
明後日にはもう博物ふぇす本番だそうですよ。いつもながら直前までただの平日なのでなんだかすごく変な感じがします。
ただ売り物の本はすでに会場に郵送していますし、備品類(すごく重い)もあらかたまとめてあります。あとはちょっとした準備をすればそれでOK、会場に行って設営を行うのみという状況です。
他の出展者の皆さんがちょっとでも出展物を増やそうとヒーヒーいってる時期に、私はこうしてのんびりnoteなんて書いてるわけです。これもいつものことです。
なぜこうなるかといえば私の出展物がサイトに掲載した小説をまとめた本であり、イベント前に慌てたところでコピー本(全然売れないことが実証済み)ぐらいしか作れないからなんですね。
呑気に見えますが通常のハンドメイドと比べて明確な代償があります。
会場で来場者のかたに一目で刺さらないんです。
他の皆さんはイラスト!立体!写真!雑貨!アクセ!Tシャツ!とビジュアルに訴えかける出展物で来場者の皆さんの視覚にどんどん刺していくわけです。
かたや小説ですからね。一目見たときどころか、本当に刺さるかどうかはお買い上げいただいて少なくともある程度お読みいただいてからということになります。
これけっこう……心細いものでしてね……。
自軍の他の兵が刀や薙刀や弓矢を手に勇ましく戦場(いくさば)を駆けているところに、ひとり毒扇子を忍ばせて暗躍しているような趣です。
何かしらすぐに刺さるナイフ的なサブウェポンで刺し傷を作ってから毒を食らわせてやろうか(サムいのを分かっていつつ念のため説明しますけどビジュアル面を強化しようかっていうことですからね)と思ったこともありますが、しょせん付け焼刃のナイフじゃ妖刀村正や魔弾フライシュッツの持ち主がひしめく中に出ていけないですからね。刃物使えるのにあえて毒扇子振ってるだけでホントは刃物使えるんでしょみたいな前提で話されたりしますからね。使えませんて。
武器の例えが急に変わりますけど、表現したい物事が急に自分に襲いかかってきたので取るものもとりあえずそこにあった小説という名のカレーライスののぼりを振り回し始めたのが小説を書くようになった始まりで、棒を振り続けた結果自分にはもう他の武器の選択肢はなくなった感じですからね。
では毒扇子使いが戦場(いくさば)でやっていくには。
戦がない普段から毒扇子を振り続けて、じわじわと毒に侵していくわけです。(もう説明しませんからね)
なにせ普段から月一くらいのペースで誰でも読めるところに作品を並べ続けてますからね。紙の本にこそなっていないものの常に実物をご覧いただけるという強みがあります。どのくらい実物かというと、絵や写真と違って色味すら印刷やモニターに左右されませんよ。ちょっとやってみましょうか。「そろそろ沈もうとしている西日を隠す薄雲のオレンジ」ほらね。
……ということに気付くまでに数年かかっております。
ビジュアル面の強化についても「本の表紙さえいい感じの写真ならそれでいい」っていうことに気付き始めたのがやっと去年ですね。
そんなこんなで色々試しては失敗したりちょっと上手くいったりしつつなんとかやっております始祖鳥堂書店、今回の博物ふぇすでもC-10(なんか前回とほぼ同じ位置ですよ)でお待ち申し上げております。