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けものフレンズライブ「はろーじゃぱん!」と舞台けものフレンズ「きみのあしおとがまたきこえた」でした

でしたも何も2ヶ月近く経ってしまっているのですが書き留めてはおきたくて。
内容を振り返って事細かに書き記すというよりは自分の感想ですね。

この2つはジャパリパークのうち我々が見ている範囲の、それぞれ空間と時間をまた大きく広げてみせたのです。

あ、がっつりネタバレです!

けものフレンズライブ「はろーじゃぱん!」

11/9に。

けもV念願のひとのくにでのライブでした!が、前回けものフレンズVぷろじぇくとのライブを記事にしたときはタイトルは「けものフレンズV LIVE」だったじゃないですか。

今回公式にも「けものフレンズライブ」だったんですよ。
でもジェンツーペンギンのジェーン役の田村響華さん(きょんち)が出演することが予告されていましたし、舞台けものフレンズも同時期に公演が行われていたのでまあそちらのメンバーも顔を出すくらいするからVって付けないだけなのかなって思っていたんですよ。

「けものフレンズライブ」でした。
なんやねんとお思いでしょうけど「今回はVのライブだから」みたいな区別はなかったんですよ。
まず、きょんちも舞台版のマンモス役・佐藤遥さんもサーベルタイガー役(ホワイトタイガーと兼役)・野口真緒さんも、けもVのみんなたちと一緒の舞台で歌い踊っていたのですよ。
そして、Vだからという区別がないのはけもVメンバーもそうだったのです。まずけもVが始まるずっと以前から声優コンテンツでも活躍していたフルル(フンボルトペンギン)です。
そして3Dの姿が未だにないジョフ(ジョフロイネコ)と、夜公演で凝った演出でソロ曲を始めたのでそれ以上は特にないだろうと油断させてきたウサコ(ウサギコウモリ)もそうだったのです。
ファンの間では「4D」と呼ばれていますが、シマハイ(シマハイイロギツネ)が後日振り返り配信で言っていた「気合を入れたら厚みが出た」という表現のほうが個人的にはしっくりきています。
つまり、実写の姿で登場したわけですが。

この時期にVTuberが実写の姿で登場するのは是か非かみたいな話題があったそうなんですけど、別にそういう人ちょいちょいいたじゃんと思って気にしていなかったんですよね。世の中の揚げ足を集めている人達の目線はそうではなかったようですが。付け火は大罪。
でもこれはけものフレンズですから。
VTuberが流行る前からこれまで様々なコンテンツを通じてジャパリパークの様子を表現してきたわけですから。

それにその当日まさに舞台けものフレンズの公演期間で、フレンズには実写の姿もあるのだということを我々ファンが普段より意識していた時期でしたからね。
つまりVのメンバーだとて実写の姿で登場することは当たり前に受け入れられたのです。
それでもウサコは事前にすごく不安だったそうなのですが、もしかしたらカラカルが舞台に「カラカル役のカラカル」として登場すると宣言していたのは自分のハジケリストぶりを利用して露払い役を買って出るというやさしさだったのかもしれません。カラカルにはそういう計算されたかましがある。

それに、気合を入れて厚みが出たメンバーのパフォーマンスの可愛らしくまた細やかなこと。
厚みがあるメンバーとVの姿のメンバーが入り乱れてダンスと歌を披露するジャパリパークならではの幸福感に満ち溢れた光景。
我々はただサンドスターの起こした新たな奇跡を目の当たりにした、そういうことなのです。

実写メンバーがいるということについてばっかり書いてしまいましたのでお歌などについても。
今回は昼公演・夜公演とも全てけものフレンズ関連楽曲のみでセトリが組まれていました。過去2回のけもV全体ライブはパークで行われていたライブの様子を配信でお届けするという形式でなおかつけもフレ関連でないカバー曲もふんだんに含まれていたのに対して、今回はひとのくにでけもフレ関連曲のみという、ともに逆側の世界の曲をやる形になっているわけですね。
けもフレ関連曲は意外なほどの数があってどれも名曲ぞろいなので、それが活かされる貴重な機会となりました。
それにこのライブに向けてけもVメンバーのソロ曲が一部分ずつのみ限定公開されていましたが、このライブでついにヴェールを脱ぎました。どれも各メンバーの声や人柄をの魅力を活かしきった楽しくて素敵な曲ばかりでした。早くMVか配信を……!!あ、ウサコのはフルで聞ける配信が出ました。

来年も素敵なライブが開けますように。

舞台けものフレンズ「きみのあしおとがまたきこえた」

わたしの観劇は11/10に。

前回の「おおきなみみとちいさなきせき」もジャパリパークの成り立ちに大きく関わり、特に「フレンズ(アニマルガール)はなぜそのような姿なのか」を限りなく直接に近く間接的に描いた内容でした。
今回もその路線を踏襲し、ジャパリパークの成り立ちのうち、なんと「なぜヒトがいなくなる前だけでなくその後も無事にパークが管理されているのか」をついに白日の下にさらしたのです。
といっても想像どおりと言えば想像どおりではあるのですが、フィクションの世界で「マザーコンピューターなるものが屹立している姿」を描いてあんなにやさしい意味合いになるのは初めて見ました。
そう、「マザー」だったのです。
性別が均一化され血縁関係があやふやに描かれているジャパリパークにおける「おかあさん」、つまり「守る立場を引き受けたもの」の時間を越えた奮闘を描いた作品となっていました。(演者に関するメタなネタをからめて自分の意志でその立場から降りたシロナガスクジラの描写もあり、そういえばゲーム「けものフレンズ3」のイベントでもシロナガスクジラがいつもいつもおかあさんしているわけではないというところが描かれていました。)
この戦いぶりがまたあまりにも覚悟が決まっていて、また辿り着くべきところに辿り着いたシーンは達成感と幸福感に満ちたものでした。
過去に戻って問題の原因を取り除くという時間SFの古典的な構造なので問題が起こった時点では即座に解決したように見えるわけですが、それであまり重大な問題ではなかったのかとフレンズが誤解するのもまた時間SFとしてきちんと作り上げられているのを感じます。なにしろヒトがパークから退去した後のフレンズには時間SFの知識自体がありませんからね。
フレンズが問題の解決にほぼ関わっていないことに気付いたかたがいたんですが、つまりフレンズは「おかあさん」に守られる側に徹していたわけで、パークは安泰であるという我々ファンにとって喜ばしいことにつながっているようです。

……全体のストーリーがけものフレンズ全体の中で重要で素敵だったというのを書くとこうやって冷静な感じになるのですが、冒頭のコモドドラゴンの記憶が最近東山動物園でコモドドラゴンの展示が始まったことになぞらえられていることに気付いてから、なぜだかずっと涙を流しながら観劇しておりました。やはりけものフレンズで描かれるパークの姿は私の心によく刺さるようです。
演技、描写、楽曲、グッズに至るまで、全て細部にわたるまでフレンズやパークの姿を克明に描くべく手を尽くされていて、舞台版はパークの空気を浴びるのになくてはならないものとなっています。

おつきさまは みらーぼーる ぐるぐる

全フレンズ(作詞:村上大樹)「けものとおどろう」

まさかこの歌詞に再び意味が乗るとは。

次の舞台も時間SFなのでしょうか、それともまた新たな角度からパークについて教えてくれるのでしょうか。またパークに連れて行ってくれるのが楽しみです。

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