どうして鬼役はお父さんなんだろう
父親が鬼になり、家の全ての部屋に移動してみんなで大豆を投げ、その後にみんなで年齢の数の大豆を食べる、というのが我が家の節分だった。
我が家は父よりも母が強い家庭だった。
ふだん、家庭での鬼は母のはずなのに、節分で鬼を務めるのは父だった。
節分における鬼の意味が違うのか。
そう思うと、切ない気もする。
大学生になり、長野から九州へと南下し、家族との節分がなくなり、友だちと恵方巻きを食べるようになった。
長野ではもともと恵方巻きの文化はなく、私の実家でも食べたことがなかった。
今は一人暮らし、自粛期間。
豆を投げる相手もいないので1人無言で恵方巻き。
1人だと無言なんて楽ちんって思うかもしれないけど意外と難しい。
そして、寂しい。
いつか新しい家族ができたら私は鬼役をやってみたい。
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