読解(2)

ハネムーン
作詞,作曲,編曲 : 笹川真生
歌 : LOLUET(feat.理芽)


⚠︎︎自己解釈
⚠︎︎乱文

ハネムーン
1,新婚後の約1ヶ月。蜜月。
2,新婚旅行。蜜月旅行。
(goo辞書より)

ハネムーンの意味は、わざわざ調べなくても良いくらい当たり前の知識。
しかし、この曲の中で、ハネムーンとは言葉通りの意味では無いように思う。

逃避行、現実逃避、邯鄲の夢。

たった2人だけの特別を、言葉として表すのは無粋だと思うが、表してみるとこのような感じになるだろう。

「ねぇ もしもしきこえてる?
もしかして…寝落ちした?笑」

いやいや大丈夫。
ちょっとだけ…電波が悪いみたい。

「そっか」
「それで さっきの話、なんて言いかけたの?」

あのね…。
そのね、うまく言えないかも。

「うん」

しれないけれど、
聞いて。

理芽ちゃんのセリフから始まる。
舞台は電話越し。
LOLUETさんが主のポジションのように思うが、この先に続く歌詞に、感情を訴えるようなものは出てこない。

便宜上、LOLUETさんを「私」として、理芽ちゃんを「あなた」とする。

あなたに意図を汲み取って欲しくて、私は遠回しに何かを伝えている、そんな感じなのだ。
それから、あなたはあの後一体どこで何をしていたの?という、探るニュアンスも出てくるように思う。

毎日のルーティンって、なんか普通じゃない感じしない?
朝のコーヒー、信号機の点滅、スマートフォン弄ってる時。
そこらじゅうに小さなサインやメッセージが隠されていて、
私たちに影響を与えているんだって。

想像してみて。
キッチンの時計が毎日17分ずつ早くなってって、
あなたの感覚をちょっとずつズラしていくの。
そしてある日、鏡を見たら、
自分が自分じゃないみたいに感じちゃったりしちゃって。
なんて。

まず、最初に言っておきたいのは、この解釈は私の主観が主になるという事だ。
笹川真生さんの曲によく見られることであり、とても好きなところなのだが、何処かここではない遠く(それは架空であり、現実であり様々)だから、どうしても、夢のような話になってしまう。
そして、私は笹川さんじゃないから、その全てを覗くことは不可能だ。
だから、私の妄想が解釈のほとんどになると思う。

その事を踏まえて、毎日のルーティンが不思議であることについて考える。

朝のコーヒー。
カフェイン、つまり、不自然な起床。
無理に目を覚まし、一日のエンジンを急かす。
人間なのに、動物なのに、私たちは太陽の光で目を覚まさない。
それは不思議な事だ。

信号機の点滅。
私たちが生まれるずっと前から定められた規則の中、そのギリギリを生きること。
赤信号は渡れない。青が点滅した時に、私は渡っているのだろうか。
おそらくだが、私は渡っていない。
スマートフォンを弄って、青信号を逃すのだ。
ここから考えられることは、私は人生をまっすぐ生きていない。ギリギリを間に合わせようともしない。
諦めている。

私たちに影響を与えているサイン。
きっと、広告のことでは無いかと思う。
電車や駅、スマートフォンの中、至る所に溢れる広告は、多くの人に届くものである。
過激な言い方をすると、少数派の人間を殺すことを目的としている。
つまり、それは私のことだ。

前提として、この歌は同性愛を表しているものと考える。
私は、同性愛について2次元の知識しかないが、ほとんどが「普通ではない私達」というような心情描写が含まれている。

この後に続く、「自分が自分じゃないみたいに感じちゃったりしちゃって。」とは、私があなたへの気持ちに気づいた時と考えられる。
つまり、私達が片思いだった時の話から始まる。

私があなたの気持ちに気がついた時のことを、私はキッチンの時計が17分ずつ早くなると言っている。


“ 17 ”

・成人になる一歩手前。未完成。未熟

‪・エンジェルナンバー
⇒前向きな思考を持つようにというメッセージ。(理想の実現や願望の成就のため)
⇒道が正しいことのサイン
⇒直感を信じろというメッセージ。(自分を信じて歩んでいけ)

・ローマ数字
イタリアでは「忌み数」
XVII 並び替えて VIXI
ラテン語で、
「私は生きることを終えた」(=私は死んでいる)


mvの少女たちが制服を着ていることから、未完成であること、私たちがただの女子高生だったことが伺える。
それから、エンジェルナンバーとしての「17」はあなた、ローマ数字としての「17」は私だ。
この話は、後々の歌詞で出てくるから今は割愛。
これを意識しながら解釈をしていこう。

「んー、どうしたの?
かみさまでも見えた?」

いや、まっっったく全然…。
そういうことではなくて。

「そうなの?」

どうしてみたらいいかな。
少し言い方変えてみようか。

「助かるよ」

うん…。

神様を見る=ありえないこと、非現実的なこと。

伝えたいことを上手く伝えられないのは、私があなたに対して「疑念」を抱えているから。

想起してみて。

「月は実は透明な羊毛で出来ている」って知ってる?
夜中に自分の名前を呼んでる無線信号を受信した?
ふと、耳にした歌詞が未来を予言していたようなことは?
星が地面から生えてくる夢を見たことはある?
(それは何色だった?)

ある日、突然自分の影が二つ、三つと増えていたけど、
そのうち一つは一体、だれのものだと思った?
エンバグ、零落、学籍番号、その次に来るものは何?
アルミホイルで覆われた心臓を知っている?

想起とは、過去の出来事や記憶を思い出すこと。
ここからの歌詞が、私の1番好きなところで、1番分からないところだ。
丁寧に読み解いてみよう。

私があなたに思い出してほしいことは、あの後何をしていた?ということだ。
あの後、とは、私を置いて(捨てて)あなたがいなくなった後のこと。

ハネムーンのムーンは「月」
月は、その満ち欠けで、夫婦に関する愛情の教訓を示しているとされているらしい。
それが「透明な羊毛」であった。
つまり、確かにそこにあるけど、だれにも見えない愛。

私達は、この愛を隠していたから、この愛は透明だった。だけど、それは優しくてあたたかいものだったよね。(記憶をなぞるように)

これは、完全な妄想だが、あなたはもしかしたら、夜中に突然行方不明になったのではないだろうか。
あなたは、滅びを迎える地球から、宇宙船に乗って逃げ出したのだ。

笹川真生さんの楽曲に「十九月」という曲がある。理芽ちゃんが歌唱したものだ。
私は、この歌が大好きで、「ハネムーン」を初めて聞いた時、どことなく「十九月」を思い出した。
私の解釈だと、「十九月」はあなたsideの曲。
「ハネムーン」は、十九月に出てくる、
「14月 昔の恋人から連絡があった」
その様子だと妄想している。

この後に続く、耳にした歌詞が未来を予言したというもの、これが「十九月」の歌詞だと仮定する。
あなたは地球の危機を知っていて、高校を退学して宇宙へ逃げたという事を、私は今になって知ったということになるのだ。

エンバグ、零落、学籍番号、
その次に来るものは何?

エンバグ=バグを埋め込んでしまうこと。
脳にバグを埋め込まれて生まれた私達。
同性愛に関することで良いだろう。

零落=落ちぶれること
社会的地位が悪くなる、学籍番号を失う。
あなたが退学したこと。
もしくは、私とあなたが常に学校をサボっていて、二人で逃げ出していたその時間こそが、まるでハネムーンのようだった。そんな解釈もできる。

あなたは、私とバグを起こして、突然退学をして、その後何をしていたの?

そして、私はその数年後、宇宙人が地球に攻めてきて、あなたの存在を知った。
ここまでくると二次創作の域になってしまうから、「十九月」とのこじつけは、この辺でやめておこう。

星が地面から生えてくる。
私は、これを、地雷のようなものだと感じた。
爆弾、なんというか、世界の崩壊というような様子だ。

自分の影が増えていく。
これは、成長していく上で、責任や抱えているものが増えてる様子だと思う。
その内のひとつは紛れもなく「あなた」だったけど、あなたの影に、私はいなかったのかもしれない。

アルミホイルが電波を遮断する。
コロナ禍の アレ から影響を受けたのだろうか。なかなか愉快で好きだったな、あのアレ。面白いアレ。

アルミホイルがあなたの心を遮断した、つまり届かなくなってしまった。
あなたの心は、私の全てを遮断したのだ。
それを、あなたはきっと知らない。

「ねぇ、もしもしきこえてる?
ザーザーって凄い!砂嵐みたい」
「いま…どこにいるの?」

うん…どこでもないよ

「なにそれ!」
「それで…
さっきの話…
どこまで本気なの?」

あのね…
そのね…
上手に言えない
こんなこと話してる場合じゃないんだけど
聞いて

人というには光すぎていて、
天使と呼ぶには汚れすぎている
な〜んだ?

「えー…人エンジェ?」

ううん
正解は、あなた

伏線回収です。楽しいね。
なんというか、私の解釈で考えると、すごく辻褄の合う説明ができる部分。

まず、あなたは私を捨てて、この世界から逃げ出した。
だから、私はあなたを恨んでいる。
しかし、恨んでいるだけでは無い。
変わらず、愛おしいのだ。

そして、私は今、敵と戦っている。
この部分の敵は、正直どのように考察しても妄想の域を出ない。
「十九月」との関連性を再び出してみると、その敵は、宇宙人と怪獣だ。
現実世界に目を向けるのならば、戦争や、未知のウイルスだろうか。
いずれにしても、私は今戦っていて、あなたは戦っていない。宇宙へ逃げた、もしくはもうこの世にいない。

そして、来ました「人エンジェ」

エンジェルナンバーの17。
⇒前向きな思考を持つようにというメッセージ。(理想の実現や願望の成就のため)
⇒道が正しいことのサイン
⇒直感を信じろというメッセージ。(自分を信じて歩んでいけ)

自分の道を信じて進んでいたあなたは、私にとって光だった。
しかし、同時に、あなたの道に私はいなかったから、天使とは呼べない。天使ほど綺麗じゃない。

この歌詞、すごいなと思う。

例えば、あなたが自身を信じて進んだ先で命を落とし、私はこの悲惨な世界に取り残されたとする。
その時、あなたはローマ数字の17、「私は生きることをやめた」という意味にも当てはまるのだ。

そして、私がローマ数字の17だと解釈した理由は、私も生きることをやめたからだ。
もう、今まさに、やめてしまおうと思って電話をかけたのだ。
それか、もう既に死んでいて、この世ではない場所からかけている、そんな解釈もできる。
色々な解釈ができるから、世界がたくさん存在している。
それが、この作品の不思議な空気感を助長している。

これは本当に妄想なのだが、あなたが宇宙人で、私が地球人という可能性もある。
愛しい人と戦わなければならない。そんなストーリーだ。
この後の歌詞でその理由を説明しようと思う。

「待ち合わせ時間、間違ったよね」
お気に入りの爪、見せあったよね

「頭が足りない私を見兼ねてあなたは優しく微笑んだよね」
私が頼んだジュースをあなたはいっつも一口欲しがったよね

「かなしいときには抱きしめたよね」
嘘つくときだけ顎、さわるよね 

「夜が明けるまで電話したよね」
外が光っててびっくりしたね

「初めてのピアス開け合ったとき」
思わず大きな声が出たっけ

「秘密もこっそり共有したよね」
あんなことも…そんなことも…

「世界がとにかくやんなっちゃって」
宇宙に向かってジャンプしたよね

「一緒に作ったパズルの白色」
永遠みたいに埋まらなかったね

「流行ってる曲は聴かないだなんて」
あなたもわたしもばかだったよね

「二人でこっそり逃げ出したよね」
プールサイドから落っこちたよね
「あの時夜空は…」
『綺麗だったよね』

ある夜、星が全て消えたあと空に浮かぶ光は何を意味してる?
異星人の文化を研究する組織の一員だったことは?
書籍に隠された第5次元への入り口、中には何がある?
テレパシーでしか話さない村の存在を疑ってる?
留守番電話に過去の自分からのメッセージが入っていたことは?

きみを

2人で過去を思い出して掛け合いをするようなシーン。
淡々とした寂しさと、穏やかな懐かしさを感じる。

秘密を共有→世界がやになって→宇宙へジャンプ
→永遠なんてない→逆張りへの後悔
→2人で逃げ出した→夜空が綺麗だった

途中から、なんとなく不穏だなと思う。
2人の秘密、あなたの正体のようなものだと仮定すると、私は全てを知った上であなたと生きる決意を固めていたのかもしれない。

二人でこっそり逃げだしてプールサイドから落っこちる。
私はこの歌詞が本当に大好きだ。
逃げても遠くへ行けないけれど、せいぜいプールサイドまでで、どこにも行けなかったけれど、プールに映る星空の中をあなたと浮かんでいたら、まるで宇宙を泳いでるみたいで。
偽りかもしれないけど、世界から逃げ出して二人だけになったような気がした。
そんな様子を思い浮かべてしまった。

この後の、私からの問いかけ。
穏やかな私たちの過去に浸ってから、現実に引き戻された私からの問い。

星が全て消えた空に映った光。
どんな風にも解釈できる。
私は、「月」だと解釈する。
羊毛なんかじゃない、ただの月だ。
みんなが知っているただの月。
反射しただけの光を灯し、夜空にぽつんと浮かぶ、つまらない月だ。

異星人の文化を研究する組織の一員。
ここが、「十九月」との関連性を疑った1番のポイントだ。
私が、という解釈もできるが、おそらくあなたが。
地球人の文化を研究する組織にいた「あなた」、地球への危機を知り、組織の船に乗って地球から去った「あなた」。

第5次元の入口。
あなた達がきっと辿り着いた領域。
多分、私とあなたの決定的な差として描いている。

テレパシーでしか話さない村
これも、「十九月」に描かれている。
「18月 もうだれも言葉を使わなくなった」
泥水から人間を作り出す実験に成功し、アンドロイド達が人権を訴え反逆をおこした、その果ての世界で起きた出来事だ。
そして、この先に続く十九月の歌詞は、

「19月 その先で君に会いたかった」

留守番電話に入っていた、過去の自分からのメッセージ。
これは、まだあなたと私が共に歩もうとしていた時のことだと思う。
多分、その内容は希望だったし、もしかしたら願いだったかも。
きみを連れて逃げよう。かもしれないし、
きみを愛している。かもしれない。
きみを殺して私も死のうと思う。だったかもしれない。
描かれていないから確かなことは言えない。

ただ、その希望や願いは、ハネムーンのように甘いものだったのだろうと思う。

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