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読書あれこれ

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本をめぐることや読書の感想などを綴りたいと思います。
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#読書感想文

【読書感想】『病が語る日本史』

【読書感想】『病が語る日本史』

九條です。

日本の歴史上、どのような病気が流行してきたのか?

その流行病を私たちの祖先はどのように乗り越えてきたのか、克服してきたのか?

果たしてその病は根絶できたのか、まだ残っているのか?

本書『病が語る日本史』は、縄文時代の遺跡から発掘された人の骨の分析からはじまり、先史・古代・中世・近世そして近代(明治以降)までの我が国で流行した病について、その歴史を簡潔に纏めたものです。

著者は

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【読書感想】『「民都」大阪対「帝都」東京』

【読書感想】『「民都」大阪対「帝都」東京』

九條です。

日本の首都東京。そして人口においても経済規模においても日本第二の都市大阪。

この2つの巨大都市が明治以降、どのように発展してきたのか?

とくに大正時代の後半から昭和初期においては、人口においても経済規模においても首都東京を遥かに凌ぎ日本一の大都市「大大阪」と呼ばれていた大阪市(この時代を「大大阪時代」と呼びます)。

天皇のおわす「帝都」東京と民間経済の中心都市「民都」大阪。

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【読書感想】『命の救援電車 〜大阪大空襲の奇跡〜』

【読書感想】『命の救援電車 〜大阪大空襲の奇跡〜』

九條です。

3月13日は、大阪大空襲があった日です。そこで、2022年5月の私の読書感想を(改訂して)以下に再掲いたします。

終戦間近の1945(昭和20)年3月13日。

人々が寝静まった深夜から翌14日の未明にかけて、大阪市内は米軍による未曾有の規模の猛烈で執拗な空襲に襲われました。大阪大空襲です。

標高約600mの生駒山(生駒山地)を隔てた奈良市内からでも、深夜にも関わらず大阪方面の空

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【書籍紹介】古代史講義(+建築)

【書籍紹介】古代史講義(+建築)

九條です。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、以下の「ちくま新書」による歴史講義のシリーズはユニークな企画で、最前線で活躍している学者さんたちによる一般の人向けの比較的わかりやすくお求めやすい価格の通史(概説書)だと思います。

佐藤信『古代史講義 ― 邪馬台国から平安時代まで ―』ちくま新書 2018年

「邪馬台国から平安時代まで」というサブタイトルは、随分と思い切ったものだなぁと感じま

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