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えむきゅう キャノンボーラーへの道⑤

【キャノボ悲願の達成編】


チャレンジ2日前突如左脚外側部に深刻な痛みを自覚し少々焦ったが、徹底ケアを施し自力で何とか回復させた。

急にヤバいレベルの痛みが…

2日前からしっかり食べてカーボローディング。
前夜ベッドインしてから22時頃までTwitterしてたら仲間達から「早よ寝ろ!」と注意された。
イベント前夜は、大抵気持ちが昂って眠れないものだか、今回は珍しくそこそこ熟睡できた。

4:30スッキリお目覚め。
軽く朝食を摂って軽量化も済ませ5:00出発。

…と、ここで、あろう事か問題勃発!
暫く走ると、トントントン…と一定リズムでタイヤから振動がある事に気づく。

実は3日前にタイヤを交換した。
近所を軽く試走したが全く自覚はなかった。

ヤバい…もしやタイヤトラブルか?
組み付けのミスか?
今さら引き返せない。
普段絶対と言っていい程、タイヤ交換でミスはしないのだが…
よりによってこんな大切な日に…

当たり前だが500kmこのまま走るのは、原因が分からない以上、精神的にも現実問題としても当然厳しい。

RX01さんに連絡をしてタイヤとフロアポンプを持って来てもらうよう依頼した。
流石にタイヤはストックがないとの事。

元標到着。

多数の仲間達が既に待ち受けてくれていた。

すぐに前輪を外しタイヤのチェック。
縦振れしていた。
1箇所ビードが上がってない場所をGUTTIさんに見つけてもらう。
ポンプでエア圧を上げると「ポン!」と鳴った。
縦振れは無くなり胸を撫で下ろした。

スタート前から冷や汗もの…

慌ただしい中、ナビの設定を済ませ、位置情報と元標写真をTwitterにアップ。

仲間曰く前回より表情が柔らかいとの事。
前回はガチガチに緊張していたらしい。

お見送りの方々全員と握手してもらい準備完了。

沢山の仲間達に見送られて…
6:00スタート!

R163までのルートは地元の土地勘を生かし、信号を回避しながら進む。
少々遠回りになってでも、極力停車をしないよう、進行方向が赤信号なら横道に逸れたりしながら走り続けた。

もう少し無駄のないルートはあるにはあったが…

清滝峠は強度を抑えに抑えてチンタラ登る。
普段の3〜4分落ちのペースで、じっくり15分ほどかけてピークまで。

R163は車が少なめでスムーズに流れる。
前回と同じ名古屋を越えるまでは向かい風なのでじっくり腰を据えて控えめなペースで走る。
それでも下基調のせいか?35kph前後で進む。

今回は前回と違い、落ち着いて走れている。
強度を抑えて心身共に余裕があり頗るスムーズに進む。
走っていて気持ち良くて、楽しくて仕方がない!

9月まで通れなかった亀山のトンネルを抜けた。

頗る順調!

四日市で大渋滞。事故で交通規制されていた。
ややこしい名古屋は迷わず進めたがそれなりに混雑。
まぁこれは想定内。

岡崎あたりから向かい風が緩んだ。
とは言え前回の様な押される程の追い風は吹かない。
そよかぜ程度なので速度が高まると、抵抗は少ないものの向かい風を感じる。
渋滞区間は我慢の走りで高速区間では40kph以上で快走した。

迎撃も多数あり力をもらった!
日中は夏の暑さ。

3回ほどミスコースをしたが前回の迷走とは異なり最低限でリカバリーした。事前の情報収集が役立った。

しかし3回目のミスコースのリカバリーでやらかした。

二股で違う方向に流れてしまい、素直に戻れば良かったものの、二股の中洲に空き地がありショートカットになるからとグラベルに入った。
17:30で既にナイトライドになっており暗くて段差が見えずガツッと乗り上げた。
グラベルなのでせめて押し歩きすれば良かったのだが横着をした。

時すでに遅し。
ブシューとエア抜け。
リム打ちパンクだ。
前回もそうだがコレは私のせっかちで慎重さに欠ける性格によるところ。
基本、あまり石橋を叩かない。
まぁ後悔しても仕方ない。
淡々と修理をする。

キャノボ恒例パンク修理。

400回ほどポンピング。
こんな時やはりCO2インフレーターがあったら…と痛感。

多少なりとも動揺もあったか?闇の中の修理で珍しく少々手間取り走り出すまで15分以上ロスをしてしまった。

ちょうど脚休めになったとポジティブに捉える事にしたがグロスを5キロ落としてしまった。
エア圧もそこそこで取り敢えずリスタートしたがまだ問題が…

朝と同じく縦振れでトントントン…
まぁコレは想定していたのでガソリンスタンドにでも飛び込む算段。
米式アダプタを持ち合わせているため、GSでエア補充できるのである。
しかし、暫く走ると『あさひ』があった。
フロアポンプを借り、エア補充でビード上げ完了。

結局トータル30分程はロスした。
しかし、まだグロス的には大丈夫。
慌てず淡々と進む。

ラブホでこの日初の撮影。
姫街道チョイスにつき『キャノンボウル』は見れず、ナイトライドゆえ富士山も拝めない。
せめてキャノボ界隈ではスポットのココで、せめてもの旅の思い出にと…

前回はボロボロでここを通過。
どれだけここで泊まりたかったことか…

御殿場に入ってからは、遂に恐れていた睡魔襲来!
普段小学生並みな規則正しい生活をしている私にとって22〜23時はお休みタイム。
眠気が出ると一気にパフォーマンスが下がる、
ガムを噛んだり大音量で音楽流しても声出しって歌ったり対策するが焼け石に水。
ヘベレケになり、飛びそうな意識を気合いで繋ぎ止める。
堪らずカフェイン錠剤を投入!
しかしコレは諸刃の刃で、確実に覚醒するがトレードオフで確実に胃がヤラれる。
なるべくダメージを低減すべく新三共胃腸薬を服用し、薄皮あんぱんを食べ胃を守る。
期待通り覚醒しパフォーマンスが戻る。
脚はまだ余裕がある。
この時とぞばかりにグロス回復を図る。
しかしこれまで350km以上走り続けてきた疲労もあって、カフェインの効果は長続きしなかった。

400kmに達したところで限界を感じ、これ以上無理すると眠りに落ちて、落車や事故の危険性があると判断し脚を停めた。
ちょうど駅舎に休憩所があったのでタイマーを10分で設定し取り敢えず横になった。

あのベンチで横になった。


眠れる見込みはなかったが、目を瞑り情報を遮断し思考する脳を休め、身体を休めた。
御殿場界隈は14℃あり、ギリギリ寒さに震える程でもなかったのは有り難かった。
やはり眠りに落ちる事はなく、アラーム前に起きて、身体を温めるべく温かい缶コーヒーを飲んだ。
20分ほどロスした。
これで回復してくれれば良いのだが…と祈る思いでリスタート。
しかし残念ながらその期待はあっさり裏切られた。

R246の無限アップダウンが始まり450kmに届かぬうちに激しい睡魔が再び…
しかも予想通り胃がヤラれて気持ち悪い。
そのうち補給も受け付けなくなった。

そしてここで再度大きな判断を迫られる。
カフェインはもう一錠ある。
再投入すべきか否か?
3時間程は時間を開けたが摂取タイミングとしては早すぎる。
動悸など心臓に負担をかける事になるのは容易に想像がつく。
何より、胃にはトドメを刺す事にも…
しかも、投入したからと言って最後まで効果が持続する保証もない。

しかし、ここ夜中のR246はさながら高速道路。
しかもわざわざ寄せて脅したり、嫌がらせしてくるトラックや車も少なからず…
路側帯の線をわざわざ踏んでまで擦れ擦れを100kph以上の高速で抜いて行く。
こんな劣悪な状況の中、朦朧としていては、少しでもフラつこうもんなら、引っ掛けられて即死亡。
かと言って眠気が出現する度に休んでいては、間違いなく間に合わない。

パンク以来、快調だったリズムは崩れ、落としたグロスを取り戻せないでいた。
しかも御殿場のヒルクライムに、睡魔襲来の二重苦で、グロスの維持が困難に。
最早葛藤している場合ではない。
カフェイン再投入しか選択肢は持ち合わせていなかった。
取り敢えず胃薬と一緒に投入。
補給色も底をつき、胃が受け付けない以上、このまま走りきるしかない。
とは言え、ここまで来たら私の燃費なら最後まで走り切れるとの感覚があり、特に動じる事はなかった。

暫くは順調に進むも、残念ながら2度目のカフェインの効果は薄かった。
最早スッキリはせず、ギリギリの攻防戦。
ただ幸い動悸は出なかった。
胃が気持ち悪いのは変わりなし。
水分摂取で誤魔化す。
効果は今一つだったが、何とか眠気は凌げており、粘り強く漕ぎ続けた。

そして遂に東京都に入った!
要求グロス的にはまだ余裕がある。
後はメカトラ・事故・急な体調悪化などがなければ達成できる。
油断せず神経を研ぎしまし、集中して走り続けた。
最早ペースを上げる必要はない。
皇居が見えてからは、まるでウイニングランの如く、明け方の東京のビルを見上げながら緩〜く走った。
誰か来てくれてたら嬉しいな〜なんて思いながら…

R246の無限アップダウンを乗り切り皇居前へ…
半年ぶりの東京!


そして、つ、つ、遂に…宿願成就!

遂に悲願のキャノンボーラーになれた。


おとうふさんとkatsuakiさんのお迎えがあってこの上なく嬉しかった。
達成した喜びより、あまりに多数の方々からの応援や励ましを受けていた経緯から、責務を果たした安堵感の方が大きかったような気がする。
2回とも失敗する訳にはいかなかった。
何が何でも達成せねばならなかった。
逆境でも心を折らず、終始気持ちを切らさなかった。
意地…と言うか執念で走り切った。

この1枚のためだけに…

こうして手に入れた悲願のキャノンボーラーの称号。
間違いなく私の人生の中で最大のチャレンジにして最高の成果!
初志貫徹!


《えむきゅうデータ》
種別…リカンベント(RWD)
年齢…半世紀+3年11ヶ月(歴代最年長から3番目)
モニグラ〜さんオフロスキさんに次ぐ。
スペック…163㎝ 50kg

憧れの青の破片に…

http://blog.livedoor.jp/narutsc/archives/52790108.html

リカンベント初の達成を目論むもnYoloさんにアッと言う間にかっさらわれ…
しかし『青の破片』には『FWD』と記載されているではないか!
ならば私が達成したら『RWD』で載せてもらえる?
しかも最年長記録は確実にランキングに入る!
これは私自身のモチベーションを高めるには十分な要因だった。


《通過データ》
10:00 100km 4′00” 900m グロス24.3
12:00 150km 6′00” 1100m グロス24.3
14:30 200km 8′30” 1400m グロス23.6
16:40 250km 10′40” 1700m グロス23.5
17:30 265km パンク-30分 グロス23.0
17:20 300km 13′20” 2000m グロス22.5
21:40 350km 15′30” 2238m グロス22.6
23:50 400km 17′50” 2576m グロス22.3
仮眠 -20分
2:25 450km 20′30” 3051m グロス22.2
4:45 500km 22′40” 3421m グロス22.0
5:38 514km 23′37” 3503m グロス21.8


トイレのみ停車…6回 
コンビニ補給…3回
仮眠停車…20分
トイレ合計10回(前回は4回)
パンク停車…30分

《補給》
[持参]
ボトル…アミノバイタルクエン酸チャージ&パラチノース
おにぎり2個(娘手作り)
薄皮あんぱん
ゼリー飲料2本
ブドウ糖タブレット
ガム・グミ
カルノパワー
栄養ドリンク
メイタンサイクルチャージ
ビタミン&ミネラルサプリ
新三共胃腸薬×2
カフェイン錠剤×2

[使用]
マグネシウムローション

[未使用]
芍薬甘草湯
ロキソニン
葛根湯

[購入]
サンドイッチ
カップ豚汁
コーラ
ミルクプロテイン
野菜ジュース
アクエリ
ポカリ
ゼリー飲料
缶コーヒー

風向きはこの日以降もOT風はまともに吹いていない。
我ながらピンポイントでワンチャンをモノにしたな…と自画自賛。


実は、ヘベレケでフィニッシュした直後、暫くうずくまって動けず、リバースまでした。

ほんの数秒の光景
感極まっている訳ではなく、単に苦しんでいる。

もう2度とせん!

…と思っていたが、20分ほどで回復してきて2時間ほどお喋りに付き合ってもらってるうちに既に辛かった記憶の改竄が始まり、次はどうしようか?と早くも…

当然双方向達成よな?
次は箱根やな?

…なんて考え始めている自分がいた。

前回も今回も想定は22時間ペース。
上手く走れば届く記録と思っていた。
しかし思いの外苦戦を強いられた。
キャノボは甘くない!奥が深いぞ!
時期チャレンジを冷静に考えた時、障壁となるのは間違いなく睡魔との闘い。
今回はギリギリ耐えて走り切れたが、再び危ない橋を渡る訳にはいかない。
眠気のいなし方を確立しない限りは、次のチャレンジはすべきではないと考えている。
カフェインの摂取方法なども含め、眠気をコントロールする術を試行錯誤する必要がある。
これについては今後ブルベを中心に、ロングライドで実践・検証しつつ、更に経験値を高めいく所存。


そんな事も考えつつ、元標周辺と荒川でゴミ拾いして荒川ポタも楽しんで、約束のラバッジョ東京への訪問も完遂した。
つぶあんこさんととむさんが会いに来てくれた。
つぶあんこさんは前回待ちぼうけを喰らわしてしまい申し訳ない事をしていたので、お会いできてよかった。

ピカピカ!
ラバチャレ24時間切り最速記録!
シンカンセンスゴクカタイアイス食べながら帰阪した。
丸一日睡眠すっ飛ばして46時間起き続け…
一晩寝て翌日何事も無かったの如く普通に出勤。


多くの仲間に見送られ、早朝から夜中、そして明け方にもかかわらず沿道では多くの迎撃を受け、フィニッシュでもフォロワーさん達に出迎えてもらい、東京ライドでもフォロワーさん達が会いに来てくれた。
Twitterでも初チャレンジから今回まで、スタート前には多くの激励、そして道中でも多くの励ましにより背中を押してもらった。
そしてフィニッシュしてからも、実に数えきれないほどのお祝いや労いの言葉をいただいた。
これらは全て間違いなく私のモチベーションを支える存在だった。
言葉では言い表せないほど感謝の気持ちでいっぱいである。
皆さん、応援ありがとうございました!
そして、Twitterは素晴らしい!

今回も前回から引き続き、見送り・沿道での迎撃・出迎えに来てくれた方々や、Twitterでも熱烈に応援してくださった方々が数えきれない程おられました。
あまりに沢山の方々が関わってくださったので、流石に全ての方々を書ききれず、その他大勢みたいな取り扱いになり大変恐縮なのですが、これについては割愛させていただく事をご了承願います。

あまりの反響の大きさに驚きを隠せない。

後日『キャノボ虎の穴』のメンバーでモニグラ〜のアニキの『さわやかリベンジキャノボ達成』と併せて祝勝会もしてもらった。

仲間に囲まれてシアワセ〜


〜完〜

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