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普通のふりして生きてきた~ちょっと病気がちな奴が健康なふりをしている回想録④-2~

~前回までのあらすじ~

体調が悪くて病院を受診したら、新型コロナの疑いがある上に血液腫瘍内科を紹介されちゃった! 私これからどうなっちゃうのぉ~~!?

お医者さんのすゝめに従って、私は市内の別の総合病院を朝イチで受診するべく、ふらふらしたまままた車を朝7時から運転して、病院に向かっておりました。

二十年以上この土地に住んでいる地元民ですが、これまでの病気の事から市立病院を妄信している私(含むうちの家族)は初めて足を踏み入れる総合病院。

三十二歳児にして見知らぬ病院に一人で足を踏み入れ、右も左も分からなかった私の心細さは言いしれない。

まず、駐車場がどこか分からん。

市立病院はね、敷地内に自前の駐車場持ってる感じでしたが、こちらはすぐ近くにコインパーキングが何個かあるタイプなんですが、それがどっか分からんくてややしばらくぐるぐる探してました。

熱がある状態で道なりに山を登りかけたりして、「あ、これ違うな」と思い、途中にあったコンビニの駐車場に車を停めて、文明の利器で検索して道案内してもらい、ようやくたどりつきました。

スマホのグーグルナビすげぇ。

さて、初めて足を踏み入れる病院。地元ではなかなか信頼ある口コミだが、中は果たして…!?

中、キレイっ!! 広っ!

大体がんセンターが併設されてる時点の、充実された設備面!

やべぇ、こんなん大学病院以来だ……。

待合ロビーには一人掛けソファが並んでおり、飲み物の自販機とテレビで待ち時間もばっちりである。

階段を上がって、外来受付と会計へ。

とりあえず受付のお姉さんに診察券を発行してもらい、いざ血液腫瘍内科へ。

科の受付をしている看護師さんに事情を話して、紹介状渡して、熱計って問診票書いてる間にふっらふらですよ! ふっらふらですよ、私!! 正直その時外来で何の検査したか覚えてませんもの!! 血液検査だけだったかな?? どうだったけ?

多分熱も上がってきて朦朧としてました。

長い検査が終わり、「発熱外来でお待ちください」と案内してもらったのが、背の低い棚で他と申し訳程度に区切ってある二畳程度のスペース。

椅子が6脚並べてあって、「これ全部埋まったら密になるんとちゃうか」って感じだったけど、私は何も言いません! だって熱が凄くて何も考えられないから!!

正直座っているのもだるくって、「誰かぁー! ストレッチャーでいいから横にならせてぇー!」みたいな具合の悪さでした!! なのに吹き込む寒風ときたら!! 確かに換気は大事だけど、良すぎなんですよ寒いんですよ! もう手足冷たい! ここは雪山か!怒

一回何の前触れもなく隣におじいちゃん座って、そのまま何の前触れもなく去っていったけど、あのじいちゃん絶対普通の待合と間違えて座っただろ。うつっても知らんからな。多分感染症じゃないけど。

一時間程度の時間だったはずだけど、熱が上がって来てたから、またかなりの時間を待った気がしたよ。

ようやく呼ばれて普通の待合に戻されて、少ししてようやく診察室に呼ばれました。

若いお医者の先生は、白血病についての冊子を見せて私に説明した。

先生「おべん・チャラ―さんは急性骨髄性白血病です。感染症による熱を下げてから、こういったスケジュールで投薬治療を始めていきますね」

私「白血病。はぁぁ……予想してたんですけど、実際言われるとショックが違いますね……」

先生「これは辛かったでしょう……。今まで大変でしたね……」

その瞬間、崩壊する私の涙腺。そうです先生、今もものっそい辛いんです。

先生「では入院ですが……すぐにした方がいいと思います」

私「こっ、このままですか!? 一旦帰って用意を整えたりとか……」

先生「無理です(意訳)」

私「はっ、ははぁ……分かりました……。お願いします……」

先生「病室の空きを確認する間、骨髄を採取して検査に回しますね」

私「(絶句)」

説明しよう! 骨髄液を腰のあたりから採取する骨髄注射を、おべん・チャラ―は幼いころの脳炎で経験済みである!

麻酔を打っても痛いという、地獄の様な注射なのだ!

もう二度と会わないと思っていた骨髄注射への恐怖に、三十二歳児は泣き濡れながら処置室に通されて、ベッドの上で注射の準備を待ちながら、職場の先輩と姉にLINEを送る。電話するのは病棟に行ってからにしよう。

やっとその時が来た。

看護師さんと先生がぞろぞろと入ってきて、うつぶせになる様に指示される。下にガーゼなど敷かれて、半ケツにされて、準備が着々と整っていく。(半ケツは言い過ぎなので三分の一ケツくらい)

そして先に局所麻酔を打たれて効いてきた頃に先生が打つ場所を探している声……。

恐怖でたまらなくて、私は涙に濡れながら、優しそうな看護師さんに言った。

「手、握っててもらっていいですか?」

太い針(見えないけど)が腰のあたりにゴリゴリ入っている感覚に更に泣き濡れながら、無事に注射が終わった私は放心した。

終わった後、血止めをしてたら「病室の準備ができたので、ご案内します」と声がかかった。起き上がって立ち上がろうとした私に、看護師さんは「フラフラして危ないから車いすで行こうね!」と提案してくれた。

なんでもかんでも頑張っちゃう系の人間の私氏、感激してまた泣く。

そのまま車いすでエレベーターに乗せられて入院病棟へ。

部屋に通されて入院書類を渡された所で、LINEで連絡を取っていた姉が、仕事を中抜けして駆けつけてくれました。

新型コロナ対応で入院中の面会が制限されている中、家族であっても顔を合わせられるのは入退院の日か手術やそれに準ずる大事な処置の日しかないそうです。今日来てくれなかったら、しばらく会えないところだったわ……。

ただでさえ見知らぬ土地(慣れてない病院)で心細い所だったし、スマホのバッテリーも危うかったので、とりあえず充電器と入院パジャマを買ってきてくれと頼みました。あと生理用品とか。

空き時間に職場になんとか電話も出来たので、もう何も心配なく入院生活を楽しむ事にしました。こんなに休める事もめったにないからね!

あとそれまで気づいてなかったけど、歯茎が腫れてたのにもびっくりしました。

院内食の固めに炊かれたご飯を食べる時、やけに歯茎が痛いなぁと思ってたえすよねぇ。でんぷんでねっぱって歯が持ってかれそうな感じ。頑張ってご飯を食べて歯磨きをして、小学生ぶりに九時に就寝。

…………

……………………

眠れんっ!!!

悲しい事に、入院病棟の快適な気温は当時発熱していた私にとって、ただただサウナでしかかなったのでした!!

夜勤の看護師さんを困らせたくなかったので、ナースコールしたくなかったんだけど、限界まで頑張ってうんうん唸っていると看護師さんに発見される。

看護師さん「おべん・チャラ―さん、眠れない?」

私「暑くて……汗をかきすぎてて……」

白状して検温したら、8度以上。看護師さんすぐさま汗拭きタオルと、水分補給の氷水を持ってきてくれました。ありがとうございます。

そんな感じで突入した入院生活、はてさてどうなる事やら……。

次回「頑張りすぎるのは体に良くない」にご期待ください!

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おべん・チャラー
神からの投げ銭受け付けてます。主に私の治療費や本を買うお金、あと納豆を買うお金に変わります。