【ネタバレ有り】シン・エヴァンゲリオン劇場版のざっくり感想
タイトルにもある通り完全ネタバレ有りの感想記事です!というわけでネタバレ配慮はせず感想を書いていきます。長いです。
初めに結論だけ観たい人向けの感想としては「部分的にわからんとこは相変わらずあったが、全体的にはキレイに終わらせたな」って感じです。
TV版でのラストはどれも複雑かつ悲しい終わり方だった事もあり、今回のシンエヴァではそうじゃなく爽やかに締めくくられたのでそのギャップが凄かったですね。
2時間半ボリュームたっぷりあったのでやや記憶が曖昧なとこもありますが、最初からシーンを追って感想とか「ここどういう事!?」って所を書いていこうと思います。新劇場版はTVシリーズをなぞっている、という考察を見て今回の内容は「TV版25話.26話.旧劇場版」をなぞり逆の展開が起きるんじゃないかなーとか思ってましたが大体そんな感じだったんではないでしょうか。
ちなみに観る前の自分のここどないすんねんポイントは「シンジの立ち直り」でした。過去シリーズで何度もいじめられた事もあり、そこをどう描写するのかが1番気になりました。
ではざっくりシーンの感想。タイトルの名称はテキトーです。
冒頭 ユーロネルフ支部戦
予告が嘘の可能性だの映画を作り直してる可能性だの、観るまで1%程は考えてましたがマリの鼻歌から始まったので「あ、作り直しはないな」と思いました。昨晩の冒頭公開+追加シーンは観てませんでしたが、前日にそういう事やるなら作り直しはないだろうと考えていたので安心しました。昨年末に公開された冒頭シーンと映像クオリティは一緒だったかな?
映画観た後だと冒頭大事なポイントは「アンチLシステム」って感じでしたね。なんか汚染させてる地上を人が住めるように浄化させるシステムっぽい。映画観る前は空間自体を復元してんの?とか思ってたけど折れたエッフェル塔はそのままだったので空気自体を浄化してるっぽい。この後に出てくる第3村でケンスケがどストレートに説明してくれたけど細かく覚えてない。
タイトル〜放浪するアスカ達
赤く汚染された地上をプラグスーツのみで歩くアスカと綾波とシンジ。冒頭からの流れでこの空間をノーダメで歩いてるという事から「通常の人」では無いということが強調された。ニアサードインパクトの事を長いから「ニアサー」って呼ぶの何かニチアサみたいなノリで映画通してシュールだな…と感じてた。
Qのラストからやはり廃人状態のシンジくん。ここでヴィレと合流するのかな、とか思ってたら意外な人物と再会。第3村へ。
第3村での日常
Qでは生存しているのか不明だったかつての同級生達と再会。トウジ、ケンスケ、委員長が登場。ここ意外だったのと同時にめちゃくちゃ嬉しかったですね。TV版だとフェードアウトする人たちだったのでちゃんと出てきて本当に良かった。
ただQから同級生達が生きてるからわからない状態だったシンジくんがケンスケ達と再会して動じなかったのが気になる。それほどニアサーを起こしたことがショックだったのか。
この村パートはシンジくんの立ち直りの為にかなり尺を割かれてましたね。つーかシンジくんの立ち直りを描く為に上映時間が伸びたんだろう。大人になったトウジやケンスケ達とシンジとの対比が良い。トウジは中学生の頃エヴァのせいで妹が怪我をしたというエピソードもあって、ニアサーを経てシンジに優しく接するというのが大人になったことを感じさせる。
ケンスケやトウジ辺りの話はTV版でのエピソードを上手く回収しており設定に説得力がありましたね。熱血なトウジが医者をやっているというのもニアサーを経てがむしゃらに生きてきたという実感がある。
綾波周りの話。村で仕事をしつつ人との交流を丁寧に描かれていた。上手く言語化はできないが昔から綾波と切り離せない「母性」のテーマをここで持ってきましたね。綾波の新しい名前をシンジが考える、という展開になり「ここにきて新しい綾波レイの名前が出てきたらどうしよう…」とか思ってたけど「綾波は綾波としか考えられない」とシンジくんが言ってくれてよかった。湖で綾波レイの幻影が見えたシーン、解説で見たはずだがどういう事だったか忘れてモヤモヤ。エヴァにおいて大事なキーアイテムのシンジくんのカセットもここで回収されました。
ケンスケ宅で過ごすアスカとシンジ。昔のミサトさんちでの同棲と重なる部分がある。廃人状態になってるシンジくんに無理やりレーズンを食わせるアスカ、なんであんなにヌルヌルしてたの?(面白い)命令があったのかもしれないが何だかんだシンジをほっとけないアスカの姿が切ない。ずっと気にかけてたし(監視)
シンジくんはリリン(人間)から完全にかけ離れた存在では無いらしいがここら辺の設定がいまいち映画内でどういう意図があったのかよく分からなかった。14年寝てた影響?
何でも屋ケンスケからのどストレートな解説パート。第3村はアンチLシステムの影響でなんとか人が住む状態にはあるが、村の周りは「ハイカイ」と呼ばれるエヴァもどきが彷徨いていて危ないらしい。コイツら何?ゲンドウがマークなんたらを作って出来た欠陥品か何かなのか。
村での暮らしは皆大変ながらも生き生きしている事を前半は描き、だがアンチLシステムが壊れいつギリギリの均衡が崩れるかわからない。という事が説明されてこの後の展開に緊張が走る。
第3村でかなりの尺を使いシンジは立ち直った。ここら辺は人によって意見が分かれるかもしれないが、個人的には立ち直りの描写としては納得できる。同級生達をここで使ってきたのは上手い。
ヴィレ合流、ヤマト作戦
ヴィレが第3村に戻ったと同時刻にゲンドウと冬月が保管計画の最終段階に入りヴィレは決戦へ。よく分からんが黒き月で槍を作るとか言ってる。アバンズドアヤナミシリーズってなに!?相変わらずゲンドウの台詞は何言ってるかわからん。
作戦名は「ヤマト作戦」かの戦艦の名前をここで持ってくるのが熱い。いつもの作戦時のBGMがかかるとぶち上がりますしね。
ここら辺でヴィレクルーの考え方とかが前もって説明されます。重要なのはトウジの妹サクラとピンク髪のギャル、ミドリ。
突撃してくるヴンダーを時間稼ぎで止める為に現れた姉妹艦、それに乗る冬月。バチバチにヴンダーと戦っているのに綺麗な姿勢で艦内に立っている冬月にジワる。
エヴァインフィニティってなに!?ゲンドウ達が登場すると相変わらず難解になる。
ここら辺は剥き出しのエヴァ13号機をぶっ壊す為に色々やるが、ようはゲンドウ達の罠でしたって話ですね。ヴンダーを儀式の材料にするとか、旧劇場版と重なるシーンがある。
リツコ、ミサト、シンジとゲンドウとの対面。ネブカドネザルの鍵を使い何か神のような存在になったらしいゲンドウ。脳みそ出てるのがグロい。鍵についてはもはや回収されないんじゃないかと思ってましたがちゃんと出てきましたね…。
というかリツコはネブカドネザルの鍵についてなんか知ってる風だったけど有名なアイテムなの?アレ。あと加持さんの事とかもちゃんと回収された。
計画の最終段階の為にマイナス宇宙かなんかに行ったゲンドウ、それを追うシンジ。ここら辺でようやくミサトさんについてガッツリ触れられます。ミサトさん破の段階でまさかお腹に子どもがいたとは…。TV版ではまぐわっていたので納得はしますが。
シンジがエヴァに乗る事に反発するサクラとミドリ、そして破、Qを経てシンジを送り出すミサトさんの心情が吐露されて良い。それぞれの想いをただただ受け止めるシンジもまた成長している。
マイナス宇宙戦 ゲンドウの独白
予告で第3新東京市で初号機と13号機が戦っているってどういうこっちゃねん!?という話がようやく明かされる。マイナス宇宙の話、難しくてよく分からんがとりあえず絵作りで色々自由にやれるので便利そうな設定だな。
第3新東京市での戦闘、これまでのCGに比べてやたら特撮っぽくミニチュア感が強調されているが、これは虚構での戦いっての意味合いがあるのだろう。ミサト宅やネルフ内でのカットが流れいよいよおさらい、大詰めという空気。
ゴルゴダオブジェクトとかよく分からん単語がまた出てきてマイナス宇宙で壮大な親子喧嘩からのゲンドウの独白。これこれ!!ずっと聞きたかったやつ〜‼︎ゲンドウの隠キャ時代が監督の事とか言われてるが、今は置いておこう。ゲンドウ、本当にユイと逢いたいという目的が一貫していたな。お前本当に凄いよ。
ここら辺の独白は大人は刺さるって感想が多かったが、自分にはまだよく分からんかったな…。
あとゲンドウがシンジを本気で拒んでいるって話、やっぱり出てきたな。全てを受け入れる神の存在になったゲンドウがシンジをATフィールドで拒否していたシーン。ATフィールドと人間の心の話も改めて回収されるのがよい。
ガイウスの槍〜終盤
色々あって何かヴンダーで新しい槍をシンジに配達する事を選んだミサト。ミサトさんの作戦いつもぶっつけ本番だが今回はいつにも増してふわっとしててヴィレクルーの胃が痛そう。ヤシマ作戦とかと比べると槍を作るって抽象的すぎない?熱いシーンだが。
槍を届けると同時に命をかけることを選んだミサト。ここで昔の髪型に戻るのがファンサービスかつ少年マンガ的熱い展開。泣ける。マリも一緒に来たがエヴァで腕もげたりビーストとか使ってる割にピンピンしてる。
配達されたガイウスの槍、なんかシンジくんが受け取った時は小ちゃくなってて可愛い。なんだかんだで槍を使い全てのエヴァを破壊(?)序盤に出てきたマーク44Aとかもちゃんとエヴァだったんだな。インフィニティやハイカイなどはエヴァもどきって説明にも繋がった…のかな?早いシーンだったので見逃してたかも。
マイナス宇宙でアスカを見つけたシンジ。このシーンのアスカ、やたらピチピチした作画で何か色っぽい。あとプラグスーツが謎にえっちな破れ方していた。
ここ明確に旧劇場版のラストとの対比って感じですね。
最後にカヲルくんと加持さんの登場。なんか死後の世界で話してる感があるが内容は一切なに言ってるかわからん。知り合いなのはゼーレと接触している人物同士だからギリわかるとして教授だか先生ってのはなんだ?
エヴァはループしているって考察、なんとなくカヲルくんの話からしてそうっぽいですね。ここも触れられるんだって驚きがある。
ここら辺でアニメシリーズ25話、26話のような絵コンテ演出などが挟まるが明確に意図してやっている事は皆に伝わると思う。ここら辺で「実写きそう…ア〜実写きそう…‼︎」って思いながら観てた(あったらあったで「やったわコイツ」となるが無いとそれはそれで寂しいオタクの心情)
で、終盤。世界を作り替える際に自分1人を犠牲に残ろうとするシンジを母親、ユイが背中を押しゲンドウと共に世界を改変。死者であるユイの想いはシリーズ通してセリフとして出てこないが映像としてこう出されると感動する。
そしてエピローグ、エヴァの無い世界で過ごすシンジたち。こういう意味合いで実写パートを出してくるのは上手い。納得できる流れである。
ここでDSSチョーカーを外す演出は色々考察が出るだろう。
大人シンジの声がおそらく神木隆之介だったが、ここで声優ではなく俳優を選ぶ辺りも実写パートによるものだろう。
で、色々荒れそうなカップリングの話。結末としてはシンジとマリがくっつき、アスカはケンスケとくっつくというような感じで物語は終劇。
アスカとケンスケに関してはまあわかる。ずっと村でお世話になってたし、一応同級生だしね。ただマリとシンジがくっつくというのはわかんね〜〜〜‼︎と観終わった後すこし考えたが、別に見方によっては友人関係にも見えなくも無い描写なので必ずしもカップリングとして考えなくてもいいと思う。
あの改変後の世界で2人とも前の世界の記憶が残っているのかは微妙なとこだが、少なくともマリはユイやゲンドウと過ごした時間があるので、シンジを見捨てておけない心情はありそうだな…という考察に落ち着いた。漫画版はまだ読めてないのでそこらへんの考察はしっかりできないが。
まとめ
なんか雑な感想記事のつもりがめちゃくちゃ長くなってない?他の記事より長くなってそう。それだけボリュームがあったという事だが。
淡々と書いたが個人的にはかなり納得でき、かつ前向きに終わる幕引きでかなり好きな決着の付け方でしたね。観終わった後は心が満たされていた。
あとシンエヴァのQに比べてストレートにわかる部分の多さを観て、やはり製作スタッフや庵野監督は意図してやってて本当に細かく設定を考えてあるんだな…と感じた。
エヴァは別に「原作者の人そこまで考えてないと思うよ」の作品では絶対にないだろう。
自分はエヴァの歴史よりも若い人間なので大人になれ云々の話はまだわからないので、今後歳をとって観るとまた違った感想をもてそうだ。
劇場の様子。歴史あるコンテンツが幕を閉じる記念すべき日だったので写真をここに残しておこう。ちなみに写真外はめちゃくちゃ密ってる。
シンエヴァの考察や解説を観て今度は4Dで観ようと思う。それでは。