トランプ理不尽
在宅介護スタッフ(娘)としては、時間を持て余す80代母を遊ばせる事が最優先ミッションである。色々やってきたがイヤイヤ期のパワーを舐めてはいけない。あれも嫌、これも飽きたとネタが尽きてくる。
今無理矢理やっているのがトランプだ。難しいゲームは出来ないと言われて2人でババ抜きと7並べ+神経衰弱をやっている・・。
7並べは母から6と8を止めていると言いがかりを付けられる。2人でやっているから、私が持っていなければ犯人は母に決まっている。案の定「カードが多くて持ちきれなかったから分けておいたわ」と後ろからゴソッと出してきた。
ババ抜きではまたトランプが多すぎると文句を言う。何度も言うけど2人だからね、ジョーカーを入れて53枚を2人で分けるんだから多いのは当たり前・・あ、ジョーカー2枚入っていたから54枚だ。ジョーカー2枚だと残らないで上がれるんじゃない?
次々出てくる新ルール、謎ルール。母が勝つまでやるのはお約束だ。
ゲームを盛り上げ接戦を繰り広げて、負けて悔しがってみせるところまでがお仕事である。辛い・・。
神経衰弱耐久レースも厳しい。ボケた2人はあっという間に開いたカードを忘れてしまうので延々と終わらないと思いきや、良くカードを切っていないのか隣同士がペアだったりしてあっという間に終わってしまったり。
特に最後の方は上手く外せなくて総取りになってしまうこともある。最初の方で調整しておくので最後で取っても負けるようになっているが、取ったカード数え終わるまでドキドキする。
母が勝てば「お母さんの記憶力はすごいね~」とヨイショして、私が勝ってしまうと「運が良かったから今回だけよ」とフォローしなくてはならない。
そして伏兵が掘りごたつである。ゲーム3回に1度はカードを掘りごたつの中に落とすのだ。そのたびに上のテーブルをどかして下のすのこを外してカードを拾う。神経が衰弱するだけではなく、体力も衰弱するおそろしいゲームなのだ(我が家では)
トランプに苦労している娘を見てハートの女王は言った。
「こんなことして面白いの?暇なのね~」
いつの間にか実家は理不尽なワンダーランドになっていた・・。
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