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データサイエンティスト目線でみたエムスリーのユニークな環境

こんにちは。データ分析グループの伏木です。私は製薬企業向けにマーケティング支援やデータ活用基盤の開発業務を担当しています。
データサイエンティストに関連した事業や部署を有する企業は多数ありますが、その実態や違いはわかりづらいと思います。
今回は、他の業界では扱えないようなエムスリーのデータや、エムスリーのユニークと思われる文化をご紹介します!
データサイエンティストとしてキャリアを検討している皆さんに少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。


業界ナンバーワンのプラットフォームによる多種多様なデータ

まず第一に挙げられるのは、エムスリーの保有する会員の豊富さです。エムスリーは国内だけではなく国外にも多くの会員がいます。2024年時点で、 国内では33万人以上(日本の医師の90%以上)が会員登録をしております。
もちろん医師向けのサービスに留まらず、薬剤師や患者さん向けの多種多様なサービスがあります。
医療業界を見てもこれほど多くの方が利用しているサービスはおそらくないのではないでしょうか。

それだけ多くのサービスがあるということは、当然アクセスログや属性情報を始めとした数多くのデータが各サービスごとにあります。扱えるデータの種類だけを見てもエムスリーはデータサイエンティストにとって非常にユニークな環境だと思います。

サービス間の無数の組み合わせとその可能性

ひとくちに医療といっても多様な領域が存在しています。医師向けには疾患や医薬品の情報、患者さん向けにも病気や診療機関についての情報を発信しています。医療業界全体のデジタルトランスフォーメーションや最適な医療の実現には多数のステークホルダーを巻き込む必要があります。適切な医療を患者さんに届けるためには、医師と患者さんの双方への施策が求めれます。例えば、医師に正しい疾患の知識と薬剤について情報提供をすると同時に患者さんにも自分の疾患についての知識や診療案内を行うべきです。
エムスリーでは、上記のような様々な領域ごとにサービスを運用し、各サービスの運用で得た知見を元に正しい医療情報を適切かつ迅速に届けられるようにするためにデータを活用しています。
データ分析グループでは、下記のようなデータをもとにコンテンツや配信ロジックの改善を行うことで医療課題の解決に貢献をしています。

エムスリーにおけるデータ活用のイメージ

医療現場×マーケティング横断の医療貢献

エムスリーではITプラットフォームだけでなく、JAMDAS(Japan Medical Data Survey:日本臨床実態調査)とよばれるリアルワールドデータも取り扱っています。リアルワールドデータを通じて、医療現場の多種多様な課題が見えてきます。臨床現場の課題を適切に捉えることは、医療課題を解く上で不可欠だと感じています。例えば、製薬企業やエムスリーでは医師に適切な情報提供を行いたいと考えていますが、医療現場の課題を知ることでより深いレベルで医師の疑問に答えられるようになります。

JAMDAS:日本臨床実態調査(Japan Medical Data Survey, JAMDAS)は、日本全国の医療現場で起きている実態を正確かつリアルタイムに把握するために、エムスリーが独自に構築した従来にないリアルワールドデータベースです。 本データベースにより、薬剤の切替・継続を含む処方状況や、疾患別患者数などをリアルタイムに把握することができます。

JAMDASデータの概要

ビジネスとの距離の近さと施策までコミットする文化

続いて挙げられるのがエムスリーの文化です。エムスリーの組織構造はフラットと言われています。実際その言葉通りで、各チーム間に垣根やコミュニケーションを妨げる障害は存在しません。そのため、データ分析グループではビジネス担当者やクライアントに直接成果を説明する機会や協業で施策まで考える機会が多いです。場合によっては、施策の立案から検証までの一連のプロセスに参加し、週次でクライアントと議論を行い伴走するようなプロジェクトもあります。社内やクライアントの意思決定に関与することができるため、分析が成果に直結していると肌で感じる機会は多いです。

施策効果と投資対効果(ROI)を重んじる風土

データ分析グループのプロジェクトは分析から示唆を出すのみに留まりません。実際の施策デザインまで関わって適切な意思決定の支援をする機会があります。例えば、検証対象の各セグメントにどんなプロモーションが有効であるかを特定の指標によって比較し、セグメント別の施策量を立案するなどのプロジェクトを実施しています。つまり、分析結果から得られたデータからオプション間の優劣を比較しビジネスサイドの担当者へ施策を提案するまでがデータ分析グループの業務になります。データドリブンな意思決定によって、全関係者が納得することのできる合理的な判断を下すことができるようになります。
また、施策の効果検証までをセットでおこなう風土が根付いており、実際に効果が出たのか、投資対効果(ROI)があるのかなどの疑問に答えなくてはなりません。

三方良しの分析者であることが求められる

三方良しとはエムスリー・製薬企業・患者さんや医療関係者全員にとって良いものを目指したいという意味です。エムスリーの施策によって、特定のステークホルダーに利益が偏ることがなく、関係者全員に利益還元されなくてはなりません。データ分析グループでは、クライアントの要望を叶える施策を実施するだけではなく、医療関係者のアクションの起点となるような優れたインサイトを出すことも求められています。
最近では、機械学習モデルを構築した最適化プロジェクトや、リアルワールドデータを用いた業界インサイトの抽出まで手掛けるようになっています。例えば、ある疾患の治療薬が十分に広まっていない場合は、どんな要因が障壁となっているか、どうすれば障壁を解消できるかについて答えるプロジェクトを通じて、患者さん向けの啓発施策、医師向けの情報提供の最適化、製薬企業向けのプロモーション施策の立案など、医療関係者全員と関わる課題に挑戦しています。

三方良しの分析のイメージ

おわりに

今回はエムスリーのユニークな環境と文化の一部を紹介させていただきました。エムスリーのデータ分析グループでは多種多様なデータを用いた医療業界に大きな貢献ができる機会があります。
データ分析グループでは、新卒・中途ともにデータサイエンティストを募集中です!
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