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北陸

一年前

 冬の北陸に行くのが悪いというのは勿論だが、ピンポイントで豪雪のタイミングを引くのは中々無いと思う。大阪駅に少し早めに着いたけど雪遅延で乗る予定のサンダーバードが中々入ってこない。着雪を落とす作業でなかなか11番線に現れない。結果として大幅遅延+米原迂回で、目的地には2時間弱遅れて着いた。

半年前

 秋なら雪は絶対に降らないと言って、予報も晴れで台風も近づいてない。今度こそ無事に着けるだろうと思った。しかし現実は違った。JR京都線で人身事故が起こり、11番線に入ってきたサンダーバードは走り出す先の線路を塞がれてしまった。目的地には約1時間50分遅れで着いた。由良神社で交通安全の御守りを頂いたのはこの一連の流れによるものである。

少し前

 なんか知らないが寒ブリの飯テロを多数受ける中で、金沢行きませんかという提案を受けた。あまりにタイミングがいい。金沢も氷見も実際あんまり変わらん。こんなん行くしか無い。冬とか関係ない。暖冬なら何とかなるはず。

計画

 旅の自由度は高ければ高いほど良いので、現地集合+現地解散にしたら私以外の皆が金沢に前乗りしていた。北陸特急には連敗を喫してるので信頼度が著しく低く、月半ばの連休では北鯖江の駅が焼けて北陸線がしばらく不通になったのも要因の一つかもしれない。旅にガバはつきものだが、減らせるリスクは減らしたいだろう。前乗りついでに舞鶴寄っていく奴もいて、980円に値下がりしたwesterの北陸パスをフル活用していた。やはり旅の自由度は高ければ高いほどよい。

前日

 前乗りした勢はそれぞれ別の便を利用したようで各々の運勢を確かめていた。一人だけ緊急停止を引いて10分程遅れたがそれだけで済み無事に金沢に着いたそうな。もし私が明日無事に金沢につけなければお祓いが必要になりそうだ。北陸特急三度目の正直を果たす時がやってきた。

当日

 連敗を避けるために一つだけ策を講じた。それは縁起の良くなさそうな大阪駅11番線からの乗車を避けること。申し訳程度の方違えである。おかげで降雪も強風もなく時刻通りに列車が来た。少し寝てるだけで金沢へ向かえる時代はこれから先しばらく来ない。列車は定刻で金沢に着いた。
 先行組は全員同じ列車にも関わらずバラバラで移動したという。先頭の景色を眺めたい人や座ってお酒を飲みたい人、峠越えに挑むモーターの唸りを聴きたい人が居るだろうから不思議なことではない。旅の自由度は高ければ高い程良いのだ。
 さて、後方から追い付く為には同じルートを通っても差は縮まないのでこちらは新幹線で新高岡へ出て、バスを駆使して氷見へ向かう。先行組によると今日の魚市場食堂はそこまで混雑してなく、早めに来てくださいとのこと。雨が降っているのが幸いしたのだろうが、順番が来るまでに合流出来ないのも困る。バスが大幅に遅れている訳ではないが、この天候では乗降も多くなりそうだ。時刻通り着くとは最初から思ってないが、多少の焦りはある。前乗りしないのはやはり良くなかったか…?
 バスを降りて雨の中氷見の街を歩いていると「120番呼ばれました」と連絡を受けた。実質遅刻になってはたまらない。氷見ミクロマラソン(421.95m)の開催となった。タイマーをセットする余裕が無かったので記録は残らないが、息を切らしつつ雨に濡れた記憶はしっかりと残った。番号は一つ前の案内で遅刻ではなかった。

氷見鰤

 これを食べに来た。美味い。実際は口にすると言葉を発することもなく笑顔がこぼれる。雨の憂鬱な気分は何処かへ消えていった。ありがとう。これ以降走ることもないだろうと日本酒を追加して完全に優勝した。まだ12時前だった。店を出ると50組以上待ちとなっていた。大阪から鉄道だけで来ると丁度このくらいのタイミングなので、やはり早入りして正解だったと思う。降っていた雨はすっかり止んでいた。

富山へ

 当初想定より時間が空いたので近くの道の駅まで移動した。途中の橋の根本に大きな段差が生じていたり、割れたアスファルトから砂が出ていたりと震災の現実を見た。道の駅で一定時間フリータイムをとって各自温泉や足湯や甘味などへ。自由度の高さを担保していく。
 氷見は忍者ハットリくんなどで知られる藤子不二雄Ⓐ先生のふるさとであり街中に様々なキャラクターがいる。ラッピングバスも走っていて「聖地」を感じる。

ラッピングバス

 氷見駅からは国鉄みの豊かなディーゼル車で高岡へ向かう。往路は列車の時間が合わずバスで山を抜けたので雨晴海岸は見れていない。この日は雨でも晴れるでもなく曇天だったが、次の日は好天に恵まれたそうな。冬の日本海側で青空が見れたらとても運が良いと思う。

引き弱

 富山で宿に荷物を置いていつものように自由行動。旅の自由度を上げるのは一般プランを組む手間を省くためでもある。土休日運行の筈のレトロ電車(7022号)を狙って富山駅付近で張っていた人が1時間経っても出会えず、地鉄富山駅の案内所に聞くと南富山の運転区を案内され、電話で尋ねると今日は都合により走ってない&明日も走らないとのこと。そういう日もある。レトロ電車は見れなかったが、たまたまやっていたアンコウの解体ショーが見れたのでヨシとした。

 舞鶴経由で北陸入りした猛者の方がハクレイ酒造のコラボ酒を持ち寄ってくれたことなどから、地場スーパーでツマミと地酒を買い出して頂く形式に。昆布かまぼこやふぐのこ糠漬、ホタルイカの沖漬など、海の幸をメインに揃えました。美味そうな海産物を片っ端からカゴにぶち込むのは控えよう。胃袋はブラックホールではない。


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