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『因縁の理』

「言わん言えんの理を聞き分ける」

をやこでもふうゝのなかもきよたいも
みなめへゝに心ちがうで

(おふでさき5号8)

めいめいにみな心が違うから、神様の働きも、みなめいめいに違う。
世の中を眺めてみれば、この世へ生まれ出て、これほど隔たりのあるものはない。
みな前生よりの、いんねん。
前生にいかなる道を通り来たか、
これ、人間にはわからん。

めいめいに不足ばかりを言うていて、結構という一つのたんのうする者がない。
なれども、よう思案してみよ。
いんねんには、深きもあれば浅きもある。
善きもあれば悪しきもある。
悪しきうちにも、また、善き理もある。
その理が今この世に現れて結構に暮らす者もある。
難儀の中の難儀に落ちている者もある。
そこで、道が道なら通らにゃならん、通さにゃならん。

神様の目には、いんねんという理、よくわかりてあるなれども、これは聞かされん。
この理をよう聞き分けねばならん。
神様は、いちいち言うに言えん。
この理を聞き分け、われは前生にて恩に恩を重ねてあると思うて、その恩返しをする気になったがよい。
互い立て合いたすけ合いという理を十分に運んで、それで前生よりのいんねん、ほどくようにせにゃならん。

(『本部員講話集〈中〉「因縁の理」から』)
高井楢吉 より抜粋

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