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八つのほこり

人間は神のご守護
からだ自由(じゅうよう)かなうこと知らず
わがまま、わがものという心で
八つのこころちがい ほこり

「ほしい」
丹精して価(あたい)をだしてほしいは、よろしい
価をださずしてほしがるは、ほこり
商法、身をはたらいて、もうけるはよろしい
はたらかずして、もうけるが、ほこり

「おしい」
わがもの棄たらぬように始末するは、よろしい
返すもの返さず、だすべきものださぬが、ほこり

「かわい」
わが子がわいいは、よろしい
ひとの子をかわいがらず、へだてるが、ほこり

「にくい」
罪をにくみて、ひとをにくまぬがよろしい
ひとをにくむが、ほこり

「うらみ」
ひとよりわれに不義をせらるるとも、わが身をうらむのは
よろしい
わが身の前々を思わず、そのひとをうらむが、ほこり

「はらだち」
理をたてて腹をたてぬがよろしい
じぶん腹たて、また、ひとを腹をたてさすが、ほこり

「よく」
家業丹精して、徳をもとめるがよろしい
ごうき、とんよくというて、商法なれば、あたりまえ口銭のうえへ、また桝目、秤目で得をとるのが、ほこり

「こうまん」
なにも不自由なし、からだまめで、物をよくおぼえるは、天より恩をいただき、先祖、親々のおかげと思えば、よろしい
わが身高ぶり、おれが、わしがというて、ひとを見下げるは、ほこり

口うつくしくして、真のこころきたなきは
「うそ、ついしょ」というて
八つのほかのほこり

(辻忠作「ひながた」『復元』)

ほこりさいすきやかはろた事ならば
あと八めずらしたすけするぞや
(おふでさき3号 98)

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