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前世でも夜鷹だったという女

前世ぜんせでも夜鷹よたかだったというおんな

そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居りました。

宮沢賢治『よだかの星』
エドワード・ホッパー《ナイトホークス》1942年
シカゴ美術館

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