遊戯王GXの回顧
はじめに
「遊⭐︎戯⭐︎王」といえば、もはや日本中誰でも名前を聞いたことはあるカードゲームと言っても過言ではないのかもしれません。元々は週刊少年ジャンプで連載していた漫画だったわけですが、その中に登場するカードゲームは2022年現在では世界中にプレイヤー及びファンを抱えています。また、遊戯王はカードゲームと原作漫画に並んで、アニメシリーズも高い人気を誇ります。第一作である「遊戯王 デュエルモンスターズ」から現在放映されている「遊戯王 SEVENS」まで、20年以上放送されているんですね。参考までに、歴代主人公&現主人公はこんな感じです。↓(諸々ネットより引用)
ちょっと急ですが、今回はその中から私が最も「ちゃんと見た」であろう作品である第二作「遊戯王 GX」についてをわかる範囲で回顧していこうと思います。決して「ガチ勢」ではないので多少違うところもあるかもしれませんが、なるべくネタバレは避けつつがんばります!
1.遊戯王GXという作品
先程の画像でも分かるように、遊戯王GXはシリーズ二作目にあたります。放送していたのは2004年〜2008年。私はちょうど小学校低学年〜高学年ですね。第一作は見ていたものの物心がちゃんとついていたとも言い切れない時期だった(その数年後に再放送やニコニコ動画のMAD等で補完)のですが、GXは幼いながらに意識的に見ていたのを覚えています。今思えば、しっかり原作のある遊戯王の次回作として完全アニメオリジナルで始まったGXは相当なプレッシャーだったんじゃないかな。しかし、放送は4年間続き、遊戯王がアニメシリーズになるきっかけとも言える素晴らしい作品として成功してくれました。ではここからは、作品の特徴を説明していきましょう。
2.前作との違い
遊戯王GXは、続編とはいえ当然登場人物や物語の進み方が前作とは異なります。ここでは本作と前作違いを、そして違いによる魅力を挙げていければと思います。
2.1物語のつくり
まず挙げられるのが「学園もの」であるということ。物語はデュエルモンスターズ(要は遊戯王カード)の専門学校とも言える、デュエルアカデミアを中心に繰り広げられます。寮生活や授業、先輩後輩の概念など、一見カードゲームとは関係のない要素がたくさん増えるんですね。ですが、この環境の整え方が話の作りまで良い意味で変えていったと言っても過言ではありません。
というのも、前作は週刊誌で連載していたということもあり、デュエルが数話にわたって続くことが多くありました。当然、途中から見たらわかりにくい部分はあるでしょう。しかし、本作はアニメオリジナルだからこそ学校の授業や新キャラとの出会いなど理由をつけては一話完結のデュエルをしてくれます。これは新規獲得もしやすいでしょうし、何より一話完結のデュエルはテンポも良くゲームとしても見ていて面白かった!なにより戦略が結構リアル。くわえて、前作の特に初期はカードゲームとしてのルールが確立していなかったこともあり、現実の遊戯王カードとは少し離れている部分もありました。ですがその点GXからは、アニメで現実にかなり近い(微妙にルールが違うのですが)デュエルをした後に、そこで登場したカードがパックとして現実で発売されるわけです。
一話完結によるテンポの良さ、現実とのリンクなど諸々新規に優しいアニメですね!カードゲームから入った人も見やすかったのではないかと思います。
2.2カードゲームとしてのキャラ付け
次に挙げられるのは、より強いキャラ付けです。これはキャラクターの性格というより、各々が使用するデッキ(カードゲームをするためにつくるカード群)のテーマがしっかり固定化されていることにあります。前作でも「インセクター羽蛾」のようなキャラクターはいましたが、登場人物ほとんどは雰囲気は似ていてもテーマなどは関係なく混ざったデッキを使っていました(当時はそもそもデッキを組めるテーマが少なかったというのもありますが)。逆にGXの場合はほぼ全てのキャラクターが、自分のテーマを持っています。例えば主人公の遊城十代であれば「ヒーロー」。アメコミに出てくるようなカッコいいヒーローを融合してより強いヒーロを召喚するテーマですね。
他にも弟分の丸藤翔は乗り物をキャラクター化した「ビークロイド」、ヒロイン?の天上院明日香であれば儀式魔法で降臨する機械天使「サイバーエンジェル」などなど…各キャラクターがどんなテーマを使うか分かりやすく、強化もテーマに沿ったものとなります。このアニメ自体のテーマの一つが「成長」であるからこそ、それが見えやすいのは良いですよね。また、現実でテーマデッキという概念が増えていったのもGX以降かと。
こんな感じで、遊戯王GXは世界観やカードゲームとしての立場が確立していたからこそ「カードゲームのアニメ」としてより盤石なものになったのでしょう。それ以降のアニメシリーズの基礎をつくったと言っても過言ではなさそうです。
3.前作から受け継いだもの
ここまでは前作との違いを書いてきましたが、では全く別の上位互換なのか?と聞かれればそうではありません。システムを含め、様々な素晴らしい要素を継承しています。ここからはそれをご紹介!
3.1世界観
まず言えるのが世界観の継承です。本編には少なからず、時間軸として前作の続きであるという描写が登場します。なにより、主人公たちの過ごすデュエルアカデミアは、前作にて主人公のライバルである海馬社長がデュエルモンスターズが普及させたからこそ建設されたわけです。というか、デュエルアカデミアのオーナーは海馬社長です。ほかにも、様々なオマージュや間接的に前作のキャラクターやアイテムが登場したりと、作品の中でも前作の登場人物や舞台へのリスペクトがあるんですね。ネタバレはしたくないので是非ご覧ください。
3.2キャラクターの個性
遊戯王のアニメシリーズには良い意味で濃いキャラクターや濃い髪型がたくさん登場します。前作でもMADでおなじみの「シルバー巻いてほしい王様」や「完全復活パーフェクト城之内様だぜ!」などなど濃さが滲み出ています。
これに関しては鰻のタレのごとく初代から継ぎ足し深みを増していっていますが…GXも同様です。濃ゆい!例えば、中期から登場し十代の弟分となるティラノ剣山(もう名前がね…)。彼は名前の通り恐竜デッキを使うわけですが、彼の1番の特徴といえば…変な語尾ザウルス!いくら恐竜使いとはいえ語尾に「ザウルス」や「ドン」をつける彼はアニメ史上最もイカれた語尾とも揶揄されているんだドン。
彼は作中でも濃い方ですが、このクセの強い濃さは遊戯王という土台の上であったからこそ活かされたように感じます(通称キモイルカのようなクセに全振りしたのもいますが)。また、癖が強いだけではなく一人のキャラクターとしての魅力も持ち合わせていることが多いですね。ちなみに私の推しはクロノス教諭です。
見た目的にはギャグキャラかもしれません。というかそういう描写多めです。また彼も語尾に「ノーネ」がつくクセ強キャラではありますが、それ以上に作中では教師としての魅力がどんどん上がっていきます。彼の教師としてのあり方や、十代たちがデュエルアカデミアで過ごす3年間で彼らと共に成長していく姿に心打たれるファンは多いようです(なので私が教員志望だからというわけでもありません)。
このように、カードゲームとしての充実に負けないキャラクターの濃さがあったからこそアニメとして面白かったのではないかと考えられます。
まとめ
ネタバレなしで書聞きれたか若干微妙でしたが、いかがでしたでしょうか。書いていてやっぱり今振り返ると見え方が全然違う。ただ当時なんとなく感じていた魅力を今の目線で言語化するというのは楽しいもので、夢中になって結構書いてしまいました。
そもそもなんでこのnoteを書こうと思ったのか?についてですが、見出しでも引用したこちらのカード↓の発表がキッカケです。
なんと今年の4月にこれを含めたヒーローの強化カードが複数登場するんだとか。これに限らずヒーローの強化これまでも出ていたわけですが、これほど「十代のヒーロー」にフォーカスしたカードは少ないのではないでしょうか。そしてこのイラストの何が良いって、実はこのイラストは遊戯王GXの2期のed「wake up your heart」からきているんです。↓
これを見た瞬間本当に懐かしくて、思わず語ってしまいました。色々書きましたが、2022年現在でも新規カードが出るほどGXファンがまだいると思うと嬉しい限りです。二作目でありながら完全オリジナルでアニメシリーズを軌道に乗せたのは本当にすごいこと。素晴らしい作品なので皆さんも是非見てみてくださいね。
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