エゾリスの住む北海道大学植物園に行った話
5月中旬、札幌は快晴。家にじっとしているのもなんなので、自転車に乗って、札幌駅近くの北海道大学植物園に向かった。
北海道大学植物園は、札幌の中心にありながら広さ13.3haもの敷地を持ち、高山植物や北海道の自生植物を中心に約4,000種類の植物が育成されている、北海道大学が運営している植物園。
なので自治体が運営している植物園と違って、敬老パスやフリーパスなどのサービスがない。あくまで学生の教育・研究の場としての植物園なのだ。
入園料、大人420円。コロナ対策のため温室と北方民族館は閉鎖中とのこと。
いざ入園!
満開の高山植物の「ズミ」。花びらが池に落ちてユラユラと漂い、カモがその水面をスイスイと泳いでいく。美しすぎる。
園内には「カナディアン・ロックガーデン」という姉妹連携を結んでいるカナダのブリティッシュコロンビア大学植物園から導入したものを中心に、北アメリカ産の高山植物約150種を育成しているエリアがある。
ゴツゴツした岩が多く、隙間に植物たちが植生していた。
一番、他の植物園と違って面白い!と思ったのは、「北方民族植物標本園」というエリア。アイヌが昔から生活や文化で使用していた植物を、使用用途の解説とともに展示してくれている。
食事としてだけでなく、薬、狩猟に使う毒、呪術、祭典など様々な植物がアイヌ文化に深く関わっていて、とても面白かった。
北海道を舞台にした漫画、「ゴールデンカムイ」おなじみのトリカブトもあった!
北海道大学植物園の見どころの一つ、博物館は漫画「ゴールデンカムイ」の剥製職人・江渡貝くんが住んでいた工房のモデルにもなっている。
中には貴重な動物の剥製がずらり。
エゾリスが走り回っている!
そう、この植物園には野生のエゾリスが住んでいる。
今回は見られなかったが、去年の秋に訪れた際に駆け回っていたのを偶然写真に収めることができていた。
園内の松ぼっくりを食べているのか、エビフライ化した松ぼっくりがあちこちに落ちていた。
このエゾリスは人間が持ち込んだのではなく、ずっと昔から、知らない間に住み着いていたのだとか。
こんな街中にエゾリスが住んでいる…。
歴史があり、敷地も広く、観賞用ではなく研究用の植物だらけのある意味自然に近い形の植物園だからこそ、のびのびと暮らしているのだなと感じた。
札幌駅から徒歩10分。足を踏み入れると都会の喧騒とは打って変わって別世界。
エゾリスの住む自然たっぷりの北海道大学植物園に、ぜひ行ってみよう。
きっと北海道の植生から文化までたっぷり堪能できるはずだ。
住所:〒060−0003 北海道札幌市中央区北3条西8丁目
営業時間:9:30〜16:30 ※夏季営業時間
冬季は営業時間が変更となるため注意。
月曜日休業日