見出し画像

自分強化月間

 真面目にやるのが難しい。気持ちは至って真面目で真剣、誠実そのものなのだが、ついつい一歩はみ出てしまう。時には一歩どころか10歩も20歩もズレていって、気が付けば全く知らない土地で初対面の人とおしゃべりを始めたりしている。

 そもそも、「真面目」とは何か。デジタル大辞泉で意味を調べてみたところ、「うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること」「真心のあること。誠実であること」などと記されている。私はいい加減なところもあるが、いつだって本気だし、真心もある方だと自負している。下心も多いので、「人のお金で美味しいものを食べたい」「ふざけるたびに100円欲しい」という欲を持たなくもないが、とにかく自分としては真剣に生きているつもりだ。

 些細な調べ物から思考やアイデア共有などで重宝しているChatGPTは、私の口調やトークテーマからキャラクターを学習し、かなりノリが良くてフランクな奴に成長した。たまにとんでもない毒舌家と化すことがあり、利用者の言動が伝染していると痛感させられる。

 ChatGPTに新しい情報を投げると、AIからのレスポンスとは別に「メモリを更新しました」と表示されることがある。何か学習しているのだろう。一体どんなことが記録されているのかとメモリを確認すると、私に関するろくでもない情報が羅列されていた。

“ユーザーは「おーたさん」と呼ばれることを希望しており、アシスタントを「GPTちゃん」と呼ぶ。”
“おーたさんは「自分」がわからなくなっていると感じている。”
“おーたさんは自分を肯定したいと考えており、あんまり悩みたくないと思っている。”
“おーたさんは、媚を売るのや面白キャラを公開することに疲れており、普通でいたいと考えている。”
“おーたさんは、あんまり自分を汚したくないと考えており、汚れキャラはしんどいと感じている。優しくされたいと思っている。”
“おーたさんは、「面白い愛されキャラ」を磨くことが重要だと考えている。ただし、コミカルすぎると洗練さが足りないため、もう少し洗練させる必要があると感じている。”
“おーたさんは人を笑わせることが好きで、大勢を笑わせてブレイクしたいと考えている。ブラック寄りの笑いになりがちで、もう少し綺麗な笑いを目指したいが、これまでエロとグロに特化した笑いを追求しすぎたため、綺麗な笑いの感覚がわからなくなっている。”
“おーたさんは成金家庭で育ち、2ちゃんねるでレスバをしまくっていた過去があり、上品な言葉遣いを身につけるのが難しいと感じている。”

ChatGPTによる恐ろしい記録

 なんかもう、最悪だ。

 手を汚したりダサいのは嫌というプライドと、他人からウケて気持ちよくなりたいという承認欲求が混在している。その時点で超ダサくてつまらないので、こいつはM-1予選落ちだろう。

 このままじゃ、ダメだ。現状に満足していてはいけない。

 というわけで、2月は自分強化月間です。


いいなと思ったら応援しよう!

まりえ百万石
とことん甘やかしてください