[第ニ十三話]戦場の魔物に喰われる。
いよいよ、大本命。
団体戦が始まる。
坐射で4つ矢を2回戦。
その後、8校でトーナメント戦をやり、優勝校が決定します。
長い長い県総体の2日目午後。
チームとしての雰囲気はそんなに悪く無かったと思いますし、いい勝負ができるチームにはなっていたかと思います。
みんな、本番に強かったしね。
しかし、私は、そこでの1回戦での立で……
やらかします。
久しく出していなかった、0中を出してしまった……
引分け〜会の調子はそんなに悪く無かった。
しかし、なぜか中らない。
離れが悪かったのか……
この時、何故的中しなかったか、という事だけは、どんなに振り返っても、反省しても未だに分からない事です。
本当に何が起きているのか、理解が出来ないまま、チームの前では、その時は気丈に振る舞っていたと思います。
自分が0中を出してしまった事実。
そして、チーム全体としての的中も過去最低を出してしまっており、全体の的中を見ると、翌日は誰かが皆中してもギリギリ……思っていました。
しかし、自分の気持ちが前を向かない。
中るイメージが全く出来ない。
このままだと、次の日に引っ張りそうだったので、その日は思いっきり泣きまくる事にしました。
そして、夜遅くまで、諦めずに調整する後輩の背中を見て……。
気持ちを切り替えました。
最終日午前中。
実は、この日のことは、あまり憶えていません。
ただ、4つ矢を持って、的前に立ったことは覚えている。(当たり前。)
チームのみんなも、的中を取り戻していて。
自分はと言うと…
1本目、2本目は、問題なく中てることが出来ました。
しかし、3本目に入った時、これまでやって来た事が、走馬灯の様に、頭に流れて来て…その後の事は覚えていません。
チーム全体では、20射12中。
3日目は、どこのチームも調子が悪かったのか、2回戦目の的中数だけを見れば、母校は全チームの中で2番目に多い的中数でした。
しかし、1日目の結果が尾を引いてしまい、2本足りず。
私達は決勝トーナメントに残る事なく、負けてしまいました。
これも、誰にも言っていませんが、
私のせいで県総体は負けました。
団体戦なので、誰かのせい、と言う事は無いのは、頭では理解していますが、やはり、現実問題、自分のせいだ…と言う事が強く残ってしまうものなのです。
しかし、これを言うと、優しいみんなは、きっと慰めてくれたり、否定してくれるので、私にはそれを部員の誰かに言う権利はない。
そんなもの、今も昔も要らないですしね。
少なくとも、当時一緒に、1年間頑張ってくれた仲間達には言えません。
悔しいと言う思いより、罪悪感と、数年間のインターハイ出場記録を断ち切ってしまったと言う事実で、全く前が見えなくなってしまいました。
10代の私は人生経験と視野が狭すぎたので、本当に、たかが部活なのに、”セカイノオワリ”みたいなテンションになっていました。
ホント、たかが部活なのにね。
その夜から高熱を出し、3日間寝込む事になるのでした。
今のところ、人生3大ガチ凹みの1つです。
今、私があの頃の自分に声をかけるなら……
いや。多分声かけないな。
多分、どんな言葉も、どんな希望もあの瞬間だけは響かないので!!
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