【よもやま話】22歳で11年ぶりにクラシックピアノを再開して28歳で初めてコンペに出た話②
ピアノは、小さい頃から真剣にやらないと、難しい曲は弾けない、上手くならない。
そう言われていますが、再開した当時も今も、それを否定しながら修行中です。
確かに、指の速さや上達スピード、努力ではどうにもならない事もありますが、補える事もたくさんあります。
また、世の中には、勉強になる書籍や、現在はYouTubeで活動されているピアニストもすごく為になることを言っていますが、
この記事では、自身の記録も兼ねて体験したことを書いていきます。
まだ何者ない奴の雑記ですが、「こんな人もいるんだなぁ」と思って読んでいただければ幸いです。
地元先生に師事して2年。曲は1曲も弾いていないし、相変わらずピアノ導入期教材を通す事もなく使用していました。
そんなある日、たまたまインターネットで調べ物をしていたら”会社で働きながら、美大生になろう”みたいなキャッチコピーの広告が目に入ってきました。
それは、関西の通信制の美大の広告でした。
それまで、地元を出る気はなかったですし、美大にも興味はなかったのですが、広告のキャッチコピーを見たときに、関西や関東で音楽を勉強してみたい、と思うようになりました。(音楽関係ないですやん!!)
とりあえず、地元先生に相談させていただいたところ「導かれる方向に行きなさい。」と。
まだまだ地元先生に師事していたい気持ちはありましたし、完全に無計画でしたが、前に進みたい気持ちが大きかったので、県外に出る事にしました。
しかし、当時は手取り12万円で生活しており、実家暮らしではなく。仕事上の経費は自費。その上、レッスンも通っていた為、貯金が0の状態でした。
どうにかして、関西か関東に行きたい私は、とりあえず、リゾートバイトをして初期費用を稼ぐ事に。
リゾバ エージェントの紹介で、九十九里に行き先が決まりました。
2013年、25歳の誕生日を迎えてすぐに九十九里での仕事が始まりました。
登山用リュックひとつ分の生活道具と、CASIOのPrivia(電子ピアノ)だけを持って、後の私物は全て処分。愛車は実家に置かせて貰い、いざ関東へ。
夏の繁忙期は仕事だけに集中し、閑散期に入ってからの休日は東京に出て情報収集。
ピアノの先生を探す過程にて。ピアノは経験者だと、その場で一曲弾いて、先生がその人の実力を見る事が多いので、独習でハノンのスケールとアルペジオ(全調)を弾きながら、Chopin Waltz No.15を少しずつ練習していました。
2013年が終わる前には、T先生にレッスンをお願いする事が出来ました。
T先生のレッスンが決まった翌週から、リゾートバイトの期間が終わるまでの1年程(2014年1月〜2015年2月)、九十九里からT先生のお宅まで、毎週片道4時間半程かけてレッスンに通うことに。
そして、九十九里のリゾートバイト終了後も、レッスンを継続したいと思っていた為、2015年以降は、T先生のお宅の近くに住む事にしました。
T先生初回レッスン曲
•Chopin:Waltz No.15
T先生ピアノ:初回レッスン時
先生「本気でやりたいと言うから、どんな人が来るかと思えば。
あなたのレベルは私のところでは、趣味でやる人の小学2年生くらいね。まず、このレベルで、音大を受けるような人は私のところには居ないわ。」
※私の方から音大というワードは言っていません。
T先生「厳しいかもしれないけれど、貴方のレベルを知ってしまって、優しい事を言ってしまったら、私の方が”無責任”になってしまうから。ハッキリ言うわね。」
T先生「無理と言ってしまったら無理だから、そうは言わないけれど。」
初回レッスンの後、早速MozartのK.545をレッスン課題としていただきました。
初回レッスン時に、予想を見事に裏切らない、普通のお言葉が返ってきて、漸く”関東圏に来たのだ”と実感しました。
T先生「年明けにすぐ、発表会のホール練習があるから、興味があれば参加しませんか?」
初回レッスンのちょうど1週間後がその舞台練習だった。後から聞いた話、なるべく早い段階で、T先生の門下さんのレベルを見てほしいとの狙いだったようです。(正直、これを聞いたときは、「才能のない田舎者はお断り」と、遠回しに言われているのかと……被害妄想入りましたが、自分にはどうでもいい事でした。)
ホール練習では、ショパンやリストの大曲。大学入試で課題になっているような曲を、ほぼ全員が涼しい顔して弾いていました。しかも、その日の参加者は、ほとんど小学生とのことでした。
その中に、田舎から出てきたばかりの20代半ばの場違い(私の事)が、先生に促されるまま、ピアノに向かい、全然弾けていないMozartを辿々しく鳴らす。
私「(関東圏のレベルの高さか?コンペに参加する子たちはみんなこんなに弾けるのか?)」
自分との差を考えながら、その日は、なるべく多くの子供達の演奏を聴かせて頂いていました。凹みながら(笑)
私「(みんな、上手だなぁ。このレベルになったら、なんでも弾けるんだろうなぁ……)」
2014年 門下ホール練習
•Mozart:K.545
ホール練習後
先生「まだまだこれからだね。」
前回にお会いした時とは違い、優しくそう仰る先生……とどめを刺された気分ですが、自分にはどうでもいい事でした。とにかく上手くなりたかったので。
その後、2ヶ月ほどレッスンの後、課題に出されていたMozart K.545と、Chopin Waltz No.15は、スラスラ弾けるようになったところで、(実力的に)これ以上変化が無さそう、と言われて、2ヶ月程度で終わり。
その年の6月に行われる、ピティナステップの参加のお誘いを受け、小6の発表会以来、15年ぶりにピアノソロで舞台に立ちました。
その舞台に立つ時、生まれて初めて、緊張で身体中が震える、という体験をしました。
2014年6月ピティナ ステップ初参加曲
•Mendelssohn:Presto agitato
•Moszkowski:Etudes Op.72-1
クオリティはともかく、久しぶりにしては、止まらずに弾けましたし、その日はそれで由しとしました。
※動画は2014年6月に撮影したMoszkowski:Etudes Op.72-1
※2014年11月に撮影した
Mendelssohn:Presto agitato
途中まで(ミスタッチ多め)
……続きます。