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【よもやま話】22歳で11年ぶりにクラシックピアノを再開して28歳で初めてコンペに出た話①

ピアノは、小さい頃から真剣にやらないと、難しい曲は弾けない、上手くならない。
そう言われていますが、再開した当時も今も、それを否定しながら修行中です。
確かに、指の速さや上達スピード、努力ではどうにもならない事もありますが、補える事もたくさんあります。
また、世の中には、勉強になる書籍や、現在はYouTubeで活動されているピアニストもすごく為になることを言っていますが、
この記事では、自身の記録も兼ねて体験したことを書いていきます。
まだ何者でもない奴の雑記ですが、「こんな人もいるんだなぁ」と思って読んでいただければ幸いです。

高校卒業後、某大手企業に就職し4年間勤めていました。その会社を退職後に、ピアノを再開しました。22歳の初夏のお話。

当時、少しだけ、真剣に音楽と向き合いたくなっていたので、先生に師事しました。

7歳の時に始めたピアノは、小学6年生の時に辞めてしまっており、レベルとしては、バイエルが終わるか終わらないかと言うレベルでした。

しかも、楽譜を目の前に出されるとフリーズしてしまうくらい楽譜が読めない。誰かのお手本か、CD無しには絶対に弾けませんでした。

中学生時代は、学校で学年合唱のピアノ伴奏者をやっていたので、バイエル+αのレベルにはなっていたと思うけれど。独学の上に、全て耳コピで伴奏を弾き、その場の雰囲気で合わせていたので、カオスもいいところ。

22歳で先生に師事したとて、クラシックの曲なんて殆ど弾けない、楽譜も読めない事には、なんら変わりがなかったです。

しかし、私がピアノを再開して、1番初めにやった事は、楽譜を読むトレーニングではなく、指の癖を治す事からでした。

地元先生初回レッスン曲
•Chopin:Waltz No.9
地元先生:初回レッスンにて
先生「何か弾ける?弾いてみてよ。」

〜演奏後〜
先生「指がしっかりしていないね。指の第一関節って、すっごく大事なの!!
(私の指を触りながら)ここがしっかりしないと、どんなに練習しても音がスカッスカッってして、鳴ってくれない。
何年やっても、どれだけ頑張っても、上手にならないのね。」


先生「貴方に言いたい事は、上手くなりたいと思うなら、この癖を治さなければいけない。だけど、これは大人になって、曲を弾ける貴方にとっては物凄く根気のいる事。最低でも1年。集中して漸く少しずつ治ってくる。
私には、大きな舞台に引上げる力はないけれど、この先、貴方がいろんな曲を自分で弾けるようになるやり方を教えてあげる事はできる。
行きたい世界があるのなら“いい先生”を探す努力はやめないで欲しい。見つかったら迷わずそちらに行ってね。
だけど、この手では、何も弾けないし、上達はしないの。どうする?少しだけ、私のところで頑張ってみる?」

私は、二つ返事で、当時の先生にお世話になる事にしました。

教材は、ピアノに初めて触れる子供たちが、バイエルより前にやるであろう、安川加寿子著のピアノの練習ABCからやり直し。(しかも1度のレッスンでは1〜2小節しか見てもらえない。)

先生「とにかく、ゆっくり指を下ろして。脱力はしたまま、関節で支えて。無理に音を出さなくてもいいから、ピアノの最後まで鍵盤を押すときの”カチッ”って感触を、脱力したまま感じて。
次の指に行く時も、上がる指も下げる指も、力を入れないでゆっくり動かす。

早く動かしたら全然意味がないから、とにかく、ゆっくり、ゆっくり……
絶対に第一関節は潰さないで。それじゃあ台無し。」


ゼロどころか…マイナスからのスタートを切った私は、丸々2年。地元にて、曲らしい曲を1曲もやる事なく、ただひたすら、自分の手と身体を観察しながら、幼児向け教材で修行する事となりました。

続く。

※画像は、私が関東に出る時に、当時の先生から選別にいただいた楽譜です。内藤容子さんの『そのままで』と言う歌に、先生が独自にピアノの伴奏を記譜した、と仰っていた。
字も楽譜もとっても綺麗で丁寧。

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