モルの住みはじめ
ショートショートの話をしていたら、新しいマガジンを作っていました。
ちょーのくんと、新キャラ後輩の森勇吉(もりきち)くんの3人です。
1000文字以内のフィクションを、テーマを決めて書いていこう、というもの。6月は「カフェ」でそれぞれ考えてみました。
三者三様の物語と、噛み合わない解釈のすれ違いざま・三角関係をお楽しみください。
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僕が暮らす、つくる邸のお話。ちょーのくんからしっかりパスをもらったので、今回も真面目に返しますね。まずは、住み始めたきっかけから。
僕がつくる邸に住み始めたのは、大学3年生の秋頃。もう4〜5年位経ちます。
ろんさんとは、実は大学生になってすぐにもう出会っていて。
僕は大学1年生、彼は大学院1年。
僕は東日本大震災の被災地支援ボランティアサークルの新入生、彼はOB。
「なんか、ろんさん空き家に住み始めたらしいよ。」
そう先輩に誘われて、着いていったのがつくる邸との初めまして。
まだろんさんも住み始めたばかりで、空き家活用プロジェクトも走り出しの頃。
その時は正直なんなのかよくわかっていなくて、モルお得意の記憶喪失。先輩たちの話をただただ聞いて、その日は終わり。劇的な出会い、というわけじゃなかったかな。
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物語が動き始めるのは、2年生の中頃。
「てんびん座」でも過去に書いたんだけど、東北との向き合い方に葛藤を抱えながら、何か自分のペースでも長崎でできないかなって考えていた時。
「ともしびプロジェクト」という、東北震災の記憶を風化させないために毎月11日にキャンドルを灯し続ける活動と出会います。
「これだ」って思った。
これって本当にささやかなことなんだけど、僕はかなり救われた。
あ、これでいいんだ。いつも頑張らなくていいんだ。
月に1回でいいから、ろうそくに火を灯して、あえて考える時間をつくる。
東北から遠く離れた場所にいるからこそ、この行為が大切で、自分の頭を切り替えるスイッチにもなってたんだ。
長崎支部を作って、ろんさんに企画を持ちかけ、つくる邸で何度かキャンドルナイトをさせてもらった。広いスペースがあって、静かで、話しやすい空間。電気を消して、ろうそくの灯りだけで対話する時間は、すごく濃密だった。
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この時から、サークルの世代交代の時期が迫ってきていたので、今後の大学生活を何に費やそうかと思案していて。長崎で、そして大学の外で、何か身を寄せる場所はないものかと。そんな時にふと頭をよぎったのが、つくる邸。
そういえば、キャンドルナイトすごく良かったな。
あんな場所があるなんてみんな知らないよね。なんか、それって勿体無いな。
もっとみんなに知って欲しい。広めていきたい!
「発信する」ことに関心があった僕は、まだあまり世間に知られていない、だけど隠れた魅力がたくさん詰まっている、つくる邸を次の場所に選んだのです。
そして、お引っ越し。
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ことの経緯はそんな感じ。住みながらのことも書きたかったけど、これくらいにしておこう。伝えたいことが多すぎて一本じゃ入りきらない…。
もう大学も卒業して大人になったけど、まだ僕はここで青春を送っているんだと思うよ。