若手海外の申請過程: ギリギリ芸ここに極まれり
さて、「若手研究者海外挑戦プログラム」に申請した当時の状況を時系列で振り返ってみたいと思います。学内の締め切りは4/25でした。
申請したの今年なんですよね。もう2年くらい経ってそうなのに。。。
それでは、ギリギリを極めた申請過程をお楽しみ下さい。。。笑
研究内容の打ち合わせ①: 2019年3月半ば
学会@名古屋に参加するために帰国していた教授と、別の学会@千葉に参加するための私の移動日が奇跡的に一致。新大阪から乗った新幹線を名古屋で途中下車して、高島屋のカフェで1時間ほどお話ができました。
この時は、
・滞在時期の確認
・私が経験のある実験技術や解析手法の共有
・D論の研究よりも、チューリッヒで始まったコムギ研究を手伝って欲しいこと
・いまスイスのラボで私が扱っても良さそうなテーマの共有
をして、「共同研究者との兼ね合いがあるので、申請書に書くテーマは後日改めて決めましょう」ということでこの日の打ち合わせは終了。
マシンガントークをその場でメモしなかったので(アホ)、千葉に向かう新幹線の中で、若干の乗り物酔いに耐えながら、必死に脳みそ絞って会話内容を書き起こした思い出。。。
申請書作成: 2019年3月末~4月半ば
「研究テーマはこれで行きましょう」というメールを3月末にいただき、申請書を書き始めた。
申請書の記載内容は
・これまでの研究の概要 (半ページ)
・これまでの研究実績 (半ページ)
・派遣先で行う研究の概要 (半ページ)
・派遣先での研究と自分の研究と関連性と受け入れ準備状況 (1/4ページ)
・派遣先に行かなければならない理由 (1/4ページ)
。。。紙面が足りねぇ......
しかも「学部の括りは一緒だけど分野が違う審査員が読むかもしれない」。
例えば、私の『コムギ遺伝学の研究しています!』っていう申請書を『農業における治水の研究だから、どっちかってーと工学分野だなぁ』なんていう先生が読むかもしれない。そういう人にもわかりやすく書かないといけない。
。。。ますます紙面が足りねぇ......
なんとかこれまで書いた申請書を組み立て直して、求められていることを忠実に守りながら書き進めて紙面に納め、スイスでする研究内容を自分なりに噛み砕いて拙い文章を作り上げ、4月半ばに「こんな申請内容を書いてみましたがどうでっか?」とメールを出したのでした。
Skype打ち合わせ②からの申請テーマ変更: 2019年4月23日
お気づきだろうか、学内締め切りの2日前です。Skypeでもう少し内容を詰めましょう、ということで4/23にSkypeでの打ち合わせが行われ、そこで先日送付した申請書の細かい齟齬を修正したりする...はずだった...
やっぱりこっちの研究テーマで書いてみない?どうせ両方するんだし(え?)、D論に近い内容だから突拍子のなさがなくなると思うんだけど。
という申請テーマ変更発動。急遽書き直すことに。
書き直しして先生方の確認をもらってから登録という流れでは、どうあがいても2日後の学内締め切りには間に合わない。すぐさま大学の担当事務局に電話をした。
umbell 「先方の共同研究の都合で申請内容が急遽変更になってしまい、書き直しが必要になりました。大変申し訳ないのですが、学内締め切りを少し伸ばしてもらえないでしょうか?」
事務の人「待ちます。必ず5/7までに登録してください。それをすぎると確認や修正が間に合わないので、必ず5/7までに登録してください。」(二回言った...!)
というやりとりを経て、10日ほどの猶予を獲得した私は、急いで申請書を書き直したのでした。
Skype打ち合わせ③: 2019年4月25日
急いで書き直した申請書をもとに、今度こそ細かい齟齬の修正をSkypeで。
これに前後して、ちょうどチューリッヒの共同研究者の人がうちの大学にサンプルを取りに来ていたので、対面で細かい研究内容を打ち合わせることができた。
申請書完成: 2019年5月6日
何度かメールのやり取りをへて5/6に申請書を完成させ、指導教官とチューリッヒ大の教授両方からのOKがでて、学振のサイトから登録。滞在期間は1年間で申請。
「ダメでも来ちゃいなよ」は割と本気だったらしく、ビザ等の手続きがすぐに始まるのだが、それはまた後日書くことにします。
ゴールデンウィーク前後はコムギの交雑シーズンのピークなので、圃場で日焼けしたりしながら大学の担当事務の方(この方には別件の申請など、この後さらにお世話になっていて頭が上がりません)からの修正事項に対応したりして、申請作業が無事終了したのでした。
振り返って。。。
そもそも、派遣先の研究テーマの打ち合わせをここまで密にできたのはかなり恵まれているように思います。ただ、コムギ研究者の立場からいうと
・締め切りが設定されている4月中旬から5月中旬はコムギ開花のピークである
・コムギの世話や交雑のために半日以上は確実に潰れる
・そんな状況の中、学振DC2の締め切りと若手海外の締め切りが近い
・ちょっとした出張が続いていた
という状況だったので、かなりカツカツでギリギリを極めてしまいました(ていうか間に合っていない)。
結果的に採用されたからよかったものの、準備は早いに越したことはないです。
ゴールデンウィーク真っ只中でも先生方とのやり取りにタイムラグが生じなかったのは、「コムギ研究者」たる所以なんだろうなぁなんて思いました。
コムギに呼ばれてみんな大学にいるから笑
きっとお休みされてる先生方も多いでしょうから、確認作業にタイムラグが生じることも踏まえると、本当に準備は早いに越したことはないです。
こんな文章を公開してしまうと、「申請大変そうだし出さなくていいや」ってなる人が増えそうですが、制度自体は、大学院生の手始めの留学ならかなりいい制度だと思います (本格的な留学ならもらえる金額も多い他の制度を利用した方がいいと思います)。
少しでも留学に興味があって、受け入れ先の候補がある人は、書くだけタダなので、ギリギリを極めない程度に申請書を書いて出すくらいのことはしてみてもいいんじゃないでしょうか。この制度がいつまで続くかは知らんけど。
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