大型連休とプレッシャーと泣くわたし 1
長かった連休が明けた。
人生を振り返ると、わたしは未だかつて世の中の大型連休に「休み」であったことが一度もない。
高校時代は部活にバイトにデートに明け暮れていたし、看護学校時代は実習に課題にバイトに追われていた。
看護師として社会人になってからも、いわゆる「シフト勤務」だったので、世の中の休日は勤務であることが多かった。
「世の中の休みに仕事なんてかわいそうだね」なんてたまに言われていたが、自分のことをかわいそうなんて未だかつて思ったことがない。
むしろ、わたしからしたらカレンダー通りにしか休めない世の中の人たちの方がよっぽど可哀想である。人口密度と旅費の高さが半端じゃない時期にしか旅行に行けないなんて、可哀想の極みである。
わたしの今年のGWは、5月11日に控えた野外フェス「ZFES」の準備に追われていた。
メインステージのアートディレクターのお仕事を頂いているが、大型連休のお陰で装飾のための資材集めがめちゃくちゃ難航したのだ。
取り寄せたいランプが取り寄せられない。
問い合わせようにもメーカーがやってない。
実店舗で在庫をかき集めようにも足りない。
本当に心底焦った。
携帯を片手に、千代田線のホームで震えた。
「ああ、わたしには無理だったんだ。こんな大役できっこなかったんだ。もうだめだ、わたし死んだ。」
そんな風に思ったら泣けてきて、人に見えない程度に泣いた。
こんな時に泣きながら電話をできる彼氏がいたらいいのに。
いや、彼氏じゃなくても、仕事仲間がいたらいいのに。
今この瞬間、誰かに優しい言葉をかけられたらわたしは0.5秒で恋に落ちれる自信がある。
そんなことを考えながら、一人で電車に乗って家に帰った。
家についてソファーに腰掛ける。
庭の外でマンションの用務員さんが掃き掃除をする音がする。無駄にリズミカルである。
とりあえず、冷静になろう。
そう思って紅茶を入れて飲む。全くびっくりなぐらい味がしない。
携帯を開けてTwitterを開く。
タイムラインに流れてくる文字が何も入ってこない。
気づいたらこんなことを呟いていた。
不安で仕方なくて、どこかにこの気持ちをぶつけたくて、思わず呟いてしまった。
「わたし辛いです、誰か構って」と言わんばかりのtweetである。もはやメンヘラ。自分で認めたくないが、わたしは結構メンヘラなのかもしれない。
だが、このtweeetをしたものの数分後に、今回の野外フェスの主催者である会社の社長がLINEが届く。
それを見てわたしはまた号泣する。