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私はジャンルを混ぜて聞く20201231

年の瀬ですね。

時期的には個人的年間ベストとかやるところなんですが、この半年は都度気に入った音楽の記事は残しておりそれらがだいたいイコールで年間ベスト入りと言った趣なので今回はまあいいかという気分。年明け気が向いたらやるかもしれない。

というわけで、単純にここ二ヶ月で聞き込んだものを紹介し、本記事を足した一連の記事群を以って今年の音楽周りの総括に替えさせていただきたい。

「From the Great Beyond」by The Grand Astoria

ロシア産のストーナー、プログレッシヴロックバンドによる2020年11月末のリリース。個人的には待ちに待った一枚だった。
やや作風に幅がある印象だが今回はシリアス寄り。長尺な曲が並び、密度の高さを保ったままダイナミックに展開する曲が圧巻。アコギによる乾いた空気の演出、ピアノによる凛とした威圧感といったアクセントがとてもよく効いていて、骨太な世界観が全編非常に良い。ギターリフひとつひとつの存在感もある。

9月末に聴いていたKaskadeurも「ストーナー×プログレ」の傑作だと思うが方向性は大きく違う。比べて聴くとジャンルis何という混沌に浸れるので楽しい。

「Staring at Clocks」 by Bitch Falcon

7月にシングル買いをしてから心待ちにしていたアルバムリリース。こちらは11月初めだった。

「グランジ×ドリームポップ」という触れ込みをどこかで見た。攻撃性があるのかないのか、その境界も曖昧にする佇まいが10曲分余すところなく詰まっている。どういう経緯でたどり着いた音楽性なのか、個人的にとても珍しく映る。

幻想的とヘヴィネスの融合というところでふいにCynicを想起した(そういえば前回は前回でDeftonesを想起していた)。別に似ている訳ではないが、趣向の琴線に触れる何か共通するものが隠れているのだろう。

「Alter Echo」by Dizzy Mizz Lizzy

デンマークのトリオ。再結成アルバムから4年振りになる通算4thとなるアルバム。3月にリリースしていることは認識しつつずっと買い逃していた。

今作はアナログ・レコード的なA面/B面を意識した作りで、前半→California Rain→後半(Amelia)といった風情の長尺志向な一枚になっている。
今までの方向性としてはコンパクトな楽曲にアイデアを詰め込む印象が強く、そこから一変して...というところだが、個人的には全く違和感なく聴けてしまった(ファンとしてはかなり後追いで思い入れが少ないのもある)。

メロディーが良いがもちろんそれだけではなく、ヘヴィミュージックとしての演奏の芯もしっかり強く、各パートの存在感にムラがない。流石。

最近JPOPヒット論的なアレで「イントロの無い楽曲が売れる傾向にある」という話を聞き齧っていたせいで、California Rainを聴いていると曲展開が気になってしまう。JPOPでよくあるサビだメロだの論が当てはまらないのが面白い、というのを10代から飽きもせず言っている気がする。

「Look Up」 by Raffy Bushman

UKジャズピアノ。何かのレコメンドで出てきたのを拾っただけで周辺情報をほとんど追いかけていないがとてもよく刺さった。

キレのあるグルーヴと、クールな佇まいの中にもしっかり効かせている感傷のフレーバー。全体的な音の輪郭はおそらくjazzy hip hopのセンスを逆輸入した感じだと思うが、物凄く耳に馴染む感覚。聴いていて心地良い。

作業BGMに良し、晩酌に良し。なにより聴いたタイミングの自分とぴったり合い過ぎていたのだろうか、思いの外印象深い一枚になっている。

・・・

日記的な2020年振り返りもやっちゃおう

今年はいろいろあった。twitterでは「2020年1月の自分に言っても信じない事」みたいなハッシュタグが流れてきているが、自分も、いや、どうだろう。大抵何でも信じそうなので面白味がない。

引越しして同業種の転職をして、カクテル作る趣味が増えたっていうのはちょっと意外かもしれない。非常に動きのある一年だったので話題には尽きないだろう。

信じてくれるかどうかはさておき、「へぇすげーな。頑張ったな あ」くらいは言ってくれそうな気がする。



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