東野さんという人について
自分のタグは何だろうと考えた時に、
確実に上の方に来るのは、絵本好き ということだろう。
自身の幼少期にも毎晩のように親が昔話などの読み聞かせをしてくれ
それで寝落ちしていたので、歯磨きをするくらい習慣になっていて、
やらないと気持ち悪い。
幸いわが子も絵本好きになったので、毎晩寝る時に一人1冊ずつ、自分も含めて3冊絵本もしくは児童書を読み聞かせしている。(させていただいているが正しい?)
読み聞かせの方法については、「感情をこめずに淡々と話すのが良い」と言う人もいるけれど、個人的には感情をこめるかどうかは、どっちでもいいと思っている。
物語が心にのこっても、読み手が心にのこっても
どっちでも子供にはいい影響を及ぼすと思っているからである。
今日は、インドの紙芝居「ポトゥア」を使った絵本作家兼紙芝居師の「東野健一さん」という人のことを知ってほしくてnoteを書いた。
私が神戸で勤務していた頃、元町にある絵本教室に通っていた。
そこはスズキコージさんとか、荒井良二さんとか、超有名な絵本作家の先生もいたのだけれど、1年間の最後の授業で、ご褒美みたいな形で東野さんの読み聞かせの授業があった。それが出会いのきっかけ。
窓のガラスがビリビリ言うくらい声もでかいし、
聞いている人にめちゃめちゃ絡んでくるし
笑わせた後にしんみり心に染みる様な話もしたり
「おしまい」と言われると夢から覚めた様な気持ちにもさせてくれた。
まったく見たこともないような読み聞かせに、すっかり虜になった。
昔話、というのは語り継がれるものだから、
話と語り手はどちらも欠かせない存在。淡々と語る人もいれば演じるように語る人もいて、いろんな人がいるのだから、いろんな読み聞かせ方が生まれるのは当然で、どちらが良いということもない。最後は好みの問題だと思う。
読み手は本に比べれば、ほんの一瞬、ほんの僅かな人にしか
残らないけれど、二度と同じ話は聞けないというのが贅沢だし
みんなで共有した時間が温かい記憶として残る。
東野さんの授業では、
自分が居なくなって、自分の作ったポトゥアもボロボロになって形がなくなって それで何が問題か それで良い
というような話をしてもらった。
絵本も、ごはんと同じように
体に取り込んで栄養になったかどうかがもっとも大事なのではないか
と思うきっかけになった。
子どもにもぜひ見せたくて、コロナが落ち着いたら絶対に会いにいく、と決めていたのだけど、
今年も東野先生は読み聞かせしてますか?と問い合わせたら、亡くなったという返事が返って来た。
10年以上経っても、春になる度に思い出すし
東野さんはもうこの世にはいないけれど、あの大声も、キラキラした目も、笑顔も脳裏に焼き付いていて、思い出す度パワーをもらう。
東野さんは間違いなく私の栄養になっている。
ギリギリまだyoutubeに残っているのでよかったら見てほしい
■カタツムリの話
おーい灯りつけとぉかー の呼びかけは今でも我が家で使いまわししている。
https://youtu.be/M5OihKU7Tj0
■狼の魂
https://youtu.be/-0tDEtoadfE
■月夜の宴会の話(23分くらいから話がはじまる)
https://youtu.be/UwMhoaZcbMI
このほかにも頭山という話も最高。
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