![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69470930/rectangle_large_type_2_368c5bbd8f8f3d49475a1a7c8bf17f18.png?width=1200)
短い記録274:即興小説トレーニング8日目
ごきげんよう、ナガセです。
練習8日目。
【タイトル:学校では教えてくれないこと】
俺と付き合っている相手なら簡単だった。
やや強引と言われようとも、身体を引き寄せてしまえば叶う夢みたいなものだ。
でも、目の前の相手はそういう関係じゃない。
この人と私は付き合っていない。
あくまでも仕事をする間柄で、手を繋ぐよりも手前のことだってする予定がない。
これが一方的な片思いだと未だに認めたくない。
例えば、物語の中で定番の「出張での宿泊先手配の行き違いがあり、一部屋しか予約ができていない」だとか。
「天災で帰りの交通機関が麻痺してしまい、やむなく二人でいなくてはならない」だとか。
他の理由をでっち上げるくらいのことをしないと、彼女との関係がひっくり返るということは起こり得ないだろう。
良くも悪くも私とこの人は常識的な線引が出来ていて、使い古された「一線を踏み越える」という事象とは無縁だった。
直行直帰、現地解散、オンラインでのやり取り。
食事に行きませんかだって今使えるような文言じゃない。
私とこの人は、平行線の健全さを保っている。
大人の特権は、責任を取れるということだと俺は思っている。
責任を取れるから、酒を飲めるし、借金ができる。
誰かに特別な感情を抱いて、それをどう処理するかを自分の意志で選べる。
大人の特権は、選択肢を作れることだと私は思っている。
選択肢を作れるから、お酒を飲んでもいいし、優先順位が付けられる。
誰かに特別な感情を抱いて、それをどう処理するかを自分の意志で選べる。
金曜日もそれなりに憂鬱だが、月曜日もわりとそうだ。
月曜日だけは、彼女との仕事の予定が絶対に入らないから。
金曜日が好きじゃなくて、月曜日はもっと好きじゃない。
月曜日だけは、この人との仕事の連絡すら出来ない日だから。
大人になれば、悩まなくてすむんだと思っていた。
だって、お金も時間も手に入ったのに。
大人になれば、自由だと思っていた。
だって、嫌だと思っていたことから開放されたはずだったのに。
どうやるのかわからないことが残るなんて、学校では教えてもらえなかった。
仕事の単語しかこぼれない唇は、どんな感触なのだろうか。
どうやって手を伸ばしたら良いのか、わからない。
仕事の話をスルスルと紡ぐ唇は、どんな味がするんだろうか。
(了)
![](https://assets.st-note.com/img/1642274444839-Bt9bseiA1Z.png?width=1200)
ぎゃー!
やっぱり2,000文字は無理でした!
頭の中で冷汗かいた感じ。
頑張った!
わたし、えらい!
また明日頑張ろ。
更新お知らせ用ライン公式アカウントはこちら
(ついこないだ、予約ミスって通知だけ先に送るということをしでかしました……)