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短い記録271:即興小説トレーニング7日目

ごきげんよう、ナガセです。
練習7日目。
さて再開。
やったね、一週間続いたね(連続じゃないけど)


【タイトル:ぬるいコーヒーと絵空事】

もしも魔法が使えたら、とりあえず仕事辞める。
そんで、できるだけ人と合わない生活をする。
美味しいものとか、別にいらない。
そう思っているのは認める。

だけど、人を蹴落としてまで手に入れたいものは今のところない。

「まあ、錬金術よね」
目の前の相手からは、出るわ出るわの腐った発言である。
心の汚れた魔法使いだって、もうちょい人の道から外れない稼ぎ方提案してくるわ、ボケ。

「iPhoneをちょちょちょっとね、やるだけ。本当に簡単」
そういって、銀行残高の画像を捏造してみせた。

曰く、この画像が自分の銀行残高だとは絶対に一言も書かないし、単に貼り付けた画像から連想をして勘違いしただけなのだから、こちらには一切落ち度はないとのこと。
はあ?
正気かよ。

「だって、やってみせたんだから。やらないなんて言わせないよ」
こっちが黙っていると、ただまくし立ててくる。
黙って聞いてりゃ、そっちが勝手に操作したんじゃねぇか。

人気の少ないチェーンの喫茶店。
そのぬるくなったコーヒー、ぶっかけてやろうか。
本人か、むしろiPhoneにか。

思えば、イメージの中の魔法使いはこんなにあくせくするわけがない。
魔法が使えるんなら、俺をその気にだってさせられるはずだ。
こいつは、良い魔法使いじゃない。
つまり、魔法が使えない。

そんなやつに時間を割く価値なんかあるのか?
これは綺麗事か?
頭の中で中学生のような自問自答をしていると、汚い魔法使いがまだ何かを言ってくる。
全然頭に入らない。

「ごめん、もういいや」
日常はドラマチックじゃない。
だいたいがつまんなくて、面倒だったりだ。
でもいい、魔法使いがいつか来るかもを夢見られる方がずっと良い。

コーヒーは、ぶっかけなかった。

(了)

今日のお題など

なんかスムーズに書けたな。
751文字っていつもより長いやん。
原稿用紙約2枚やん。
えらいぞ、自分。
レッツ自画自賛。

銀行残高の画像の作り方は、こないだふと調べてみたネタです笑
やっぱり捏造なんだなあ。
じゃ、また明日。

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