某学習塾に棲まう怪物ども①
人には、誰しも「トラウマ的体験」というものがある。
ティッシュペーパーを入れたまま選択した服のように、いつまでもいつまでも、脳内にこびりつく。そろそろ忘れたかな?と思っても、ふとした瞬間に立ち込めてくるあの感じ。オエッ。
僕にもそんなトラウマ的体験がある。思い出すと怒りしか湧かないが、自分の中で永遠に循環させるよりは、ここで供養する方がいいので、書かせてもらう。
僕、塾講師のアルバイトになる
今から6~7年も前のこと。やっとのことで大学生になった僕は、家の近くにある某学習塾で講師のアルバイトを始めた。
その塾は小学4年生から中学3年生にかけてお世話になっていた塾ではあったものの、本来そこでアルバイトをしようとは微塵も思っていなかった。というのも、浪人生時代にお世話になった予備校でチューターのアルバイトをしようかなと思っていたし、なにしろ高校では通塾していなかったからだ。思い入れは上書き保存していくタイプなので、その塾への帰属意識などとうに薄れていた。
しかし、運命の風は僕を予備校チューターの方には向かわせなかった…。今になって思うと、面接がボロボロだったのだろうか……あまりよく覚えていないが。(嗚呼、教育関係は縁が無かったか)と諦めていた時、一通のLINEが届いた。
今暇?A(仮名)先生が会いたがってる。塾に来て。
げっ、先輩からだ…。いきなり何なん…。
この先輩(以降、B先輩としようか)、塾生時代からの知り合いだが、年齢が僕より1つ上だというだけでエラそうにする。その癖、自分の同期には所謂「いじられキャラ」として扱われている輩だった。要するにクソってこと。(B先輩に対しても今更色々物申したいことはあるが、それはまた別の機会にしよう)
さてもさても、(なんだこの棒読みみたいな文章、おまえ老人かよ)とか何とか思いつつ、「わかりました、行きます」とだけ返し、家を出た。
タイムマシンなんてものがあれば、この時の自分をブン殴ってでも止めるのだろうが、現在の僕の職業はこの時の経験を大いに活かしたものだから、なんとも否定は出来ない…。まさに不条理。
そして僕の大学生としての生活は、ここから大きく狂い始めることになったのだ。
To be continued…