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"逃亡日記" 第31夜 落合陽一"Re-Imagination of Landscape" 大阪関西国際芸術祭2023
…うっかり、かみさまの世界に迷い込んだ千尋の気持ちがめちゃくちゃわかる…
たいていのアートは1人で観に行くのですが。
久しぶりに心細くなって気がついた。
"はじめての異世界に行く時は、誰かと一緒に行こう"
こんにちは!リルです。
『Study:大阪関西国際芸術祭』の飛田会場「Re-Imagination of Landscape」(2023)観てきて、いろいろ感じたことを書きますね。
※今回の展示はちょっとセンシティブなので苦手な人は気をつけてね⚠️
異世界への参道
今回の展示会場は、異世界です…たいていの人にとっては。
異世界に入るのには、きちんと双方のルールを理解して"参道"をたどることが必要なのを思い出した。いつの時代でもね。
『Study:大阪関西国際芸術祭』は、どちらかというとひっそりと開催されている。…なまの"大阪感"とアートの融合を目指してるのかなぁ…とか、いい風にも言えるけど、まじでどこでやってるかもわかんないし、会場ごとに展示時間違うし、関西在住でもふつーにしてたら情報は入らない…(涙)
2023年の落合陽一新作を観るにはは、まずは情報を集めるところと、異世界へのアプローチからはじまる。…パワースポットとか大きな寺社に行く時って"お詣りの手順"って書かれてるよね?そんな感じ。
(ちなみに展示会場の飛田会館は13:00-17:00が展示時間←重要⚠️)
落合さんから提案されたルートを歩いていくと、都会的でこぎれいなビル(ハルカスとかキューズモール)がだんだん古いマンション群になり人通りが減り…古式ゆかしい商店街と時計台がみえる。
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眠る商店街(ほこりを被った軽トラがまどろんでいる)をそーっと歩き、飛田会館へ。強烈な昭和感。視界のすみに異様にきれいな石畳とか幾何学的に並んだ看板がちらりと見える。(そこには"お客さま"しか入っちゃだめ)
…この時点ですごいアウェイ感。
昭和という時代
展示会場の『飛田会館』は昭和18年に建築されたままの木の床や階段、講堂が残されている。…普段使われていない建物特有の廃墟感がすごい。剥がれた壁、ほこりっぽくくすんだガラス、錆びた洗面台、貼られたまま朽ちたポスター。
会場だけでも強烈だ。
そこに吊られた大量の提灯が大きすぎて、自分の身体性がバグる。不思議の国のアリスが感じた恐怖感ってこんな感じ??
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偶然聞いた、関係者(たぶん料理組合の方)のお話に打ちのめされる…昭和って…こんなに身体的(男性的)なエネルギーで動いてたの⁈この場所は『週1回の検査』(うぅ…痛そうだった)の場所で、当時珍しかった『女性専用トイレ』が設置され…
"女性のための場所"という言葉にめまいを感じてしまう(女性が働きやすいよう最大限に配慮されてることはすごくわかる…わかるけど…受け止め切れなかった…ごめんなさい🙇♀️)
…異文化を知ることは、決して心地よい体験だけじゃない。分かり合えないことを思い知ることもある。
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「Re-Imagination of Landscape」
自然光が美しく入る講堂で、新作映像作品は淡々と流れる。
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3Dスキャンした街の映像と、画像生成された女性のイメージが、ヌルヌルと溶ける。
おだやかな冬の陽と、強烈な"夜"
子守歌のように静かに流れる"トロイメライ"
まどろむ世界に、ここちよくとけてゆく…デジタルと身体性の境界面もとけて……
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…あれ?
これ夢の中で見たような気がする…
違う。HUMAN /CODE ENSEMBLE のときにみた映像に似てるんだ。
どうしよう…?落合さんが生成したワールドに迷い込んだんだ…こわいよぅ…。
#落ヌル #ヌル即是色色即是ヌル #物化する計算機自然 #デジタルネイチャー #HCE2022 pic.twitter.com/OmJPFCfD9g
— 落合陽一 Yoichi OCHIAI (@ochyai) November 26, 2022
現代アートを体験すること…って
『スタッフの方ですか?…一般の方でしたら、著作権に気をつけて撮影してくださいね』
監視員の方からの声かけに、ふと現実に戻る。
おぉっと…
…美術展は撮影OKが増えてるけど、心よく思ってない方もおられるのかなぁ…とか
展示場所の文化的背景かなぁ…とか
一眼レフはダメだったのかなぁ…とか
受付では"撮影全面OKです‼︎"って言われたけど、動画撮ってるって思われたかなぁ…とか(動画NGは結構ある…動画と静止画の違いって何だ…とか)
アウェイ感満載だったので、『す、すみません気をつけますね』って、しょんぼり帰る。こんな日もある。
アートを観ることは(特にメディアアートとか現代アート)、異なる視点から世界を見せつけられる体験だと思ってるし、それは自分が認識してる世界観を否定されることもあり。…まぁ、うれしくなったり悲しくなったり、満ち足りたり空っぽになったり、それが楽しくて行ってるので、今回の体験も趣深かったです。
…それでも。落合陽一アートは大好きだよ✨
Study:大阪関西国際芸術祭 2023/1/28から2/13
チケットは1回買ったら、会期期間中何回でも観に行けます!
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