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春野りりん
2022年2月2日 09:06
30年前の長文レポートに最後までおつきあい下さいましてありがとうございました。当時の参考文献を掲げておきます。岡崎文彬『ヨーロッパの庭園』(昭和35年2月)創元社鼓常良『西洋の庭園』(昭和36年4月)創元社伊藤ていじ『古都のデザイン 借景と坪庭』(昭和40年9月)淡交社矢内原伊作『石との対話』(昭和41年10月)淡交社早川正夫『日本の美術 別巻 庭』(昭和42年10月)平凡社重森三
2020年6月6日 00:01
はじめに 日本の庭 ー そこは、私を安堵感で包み、日常の憂さを忘れさせてくれる場である。日本の庭には、私の心に共鳴するものがあるのだ。かつてヨーロッパの名園を訪れた時、その秀麗な意匠に目を奪われたものの、どことなく居心地の悪さを感じた。ヨーロッパの庭園にはない日本の庭の魅力とは、すなわち日本の庭らしさということである。それは、一体何だろうか。ヨーロッパの庭園と比較することによって、少しでも日本
2020年6月6日 10:00
高3のときの修学旅行レポートを30年経っておそるおそる読み返したら、なんと、30年後の私の知りたいことが、30年前の私によって丁寧に綴られていました。自分が進歩している気がせず驚くばかりですが、せっかく発掘されたのでnoteに転載します。第1章 語源による比較 現代ヨーロッパの諸国語において、「庭園」に相当する語は、ゲルマン系諸語 ※ で表されるのが一般的である。それらの意味はほぼ同一で
2020年6月6日 10:34
とても驚くことに、1990年、高校3年の時に綴ったレポートを読み返したら、30年後の私が知りたいことが、30年前の私によって綴られていました。「心は時空を超えて、30年前のあなたの筆を借りて語ったのですね」という友人の言葉に背中をおされて、再録しています。気象現象等、当時の分析のままですが、一緒にお楽しみいただければ幸いです。第2章 風土的要因による比較第2節 気候的条件 和辻哲郎氏
2020年6月6日 11:10
とても驚くことに、1990年、高校3年の時に綴ったレポートを読み返したら、30年後の私が知りたいことが、30年前の私によって綴られていました。このレポートはまだまだ続くのですが、この長文を手書きで仕上げていたことにも驚きます。「車や電車がある、という意識がなければ、ひとは東京から大阪まで歩くものだ」という言葉を思い出しつつ、キーボードで再録しています。第2章 風土的要因による比較第3節 風土
2020年6月6日 12:23
30年前の私が綴ったらしき長文レポートにお付き合いくださいまして、ありがとうございます。400字詰め原稿用紙50枚以上という課題で、註を入れれば56枚にも及ぶので、まだまだ続きます。気長にお付き合いいただければ幸いです。第3章 文化的要因による比較第2節 宗教・思想 一般的に芸術というものは、宗教や思想の影響を大きく受けやすい。庭園もまた例外ではないだろう。ヨーロッパと日本の庭園に深い
2020年6月6日 15:25
さて、ここからはヨーロッパの庭園のお話です(前回はこちら☟)。第3章 文化的要因による比較第2節 宗教・思想ルネサンス精神とヨーロッパ庭園 ルネサンスとは、14世紀から16世紀にかけて、イタリアをはじめとする西ヨーロッパ諸国に興った市民的精神運動である。都市経済の発展や封建社会の崩壊に伴って台頭した市民階級は、イスラム文化や古典文化をもとにして、新たに現実的、開放的な市民文化を生み出し
2020年6月6日 17:21
30年前の長文レポートにおつきあい下さいまして、まことにありがとうございます。本文は終わりましたが、もうしばらく続きます。前回はこちらでした。☟結びにかえて 日本の庭とヨーロッパの庭園は、全く対照的な性格を備えている。自然と人工の関係はその端的な例であり、また根本的な点でもある。 しかし、日欧の庭園は、単に両極をなすだけなのだろうか。庭園と築造物という観点から考えた場合、ヨーロッパで