松田聖子「Rock'n Rouge」〜歌詞感想を徒然と〜
1984年
作曲 呉田軽穂
作詞 松本隆
編曲 松任谷正隆
この作曲者である「くれたかるほ」はユーミンのペンネームで、女優グレダ・カルボの当て字であるわけです。
何故こんなペンネームなのかと申しますと
ユーミンの
「わたしのネームバリューで曲が売れても嬉しく無いから…名前隠して曲だしちゃうからね」
だったのです。
この「呉田軽穂」名義含め、ユーミンはどれだけ沢山の曲を世に送り出してるのか…
考えるだけで戦々恐々とする次第であります。
作詞は松本隆
彼は「はっぴーえんど」というバンドのドラマーでした。
このバンドは、日本にサザンが誕生するよりも約10年前に誕生していたロックバンド?
フォークバンド?なのです。もはや伝説。
そんなバンドに所属していた彼が作詞した曲の数も枚挙にいとまがなく、
「sweet memories」「赤いスイートピー」やKinKi Kids「硝子の少年」
山下達郎「Dreaming girl」 竹内まりや「September」などなど
今なお人気を博している有名な歌謡曲の作詞家であるのであります。
そんな2人が生み出した曲。
それを歌うのは当時、爆発的、そう、ダイナマイト的に人気だった松田聖子
当時22歳。
今の広瀬すずと大して年齢も変わらないピチピチのガール。
それそれは世の男性、女性までもが夢中になるのは目に見えてます。
春から夏への滑走路を爽快に走ってゆく様なイントロのギターとコーラス
Aメロから入ってくるベース
このベースの暗躍がこの曲に逸脱のリズム感を与えている様に小生は考える。
更にはBメロで特に目立つ、踊る様なピアノ
何よりも小生が好きなのは
サビ前にそれらの楽器のポーズと同時に鳴るスプラッシュ音(の様なもの)による、
「はい!今からサビです!」感である。
『花びら色の春にI will fall in love』って感じです。
『海へ行こうぜって』での転調であったり、聴けば分かるが、サビ直前、サビ終わりの高音伸ばし、サビでのひとつひとつ丁寧に歌詞を置いていく様な歌唱、大サビでの追い討ち等、何かと難しそうな曲である。
だがしかし松田聖子、YouTubeにある動画では、終始笑顔で、サラリと歌っている。めちゃくちゃ可愛い。
難しいメロディーに乗せられた歌詞は
トレンディーな雰囲気の中、初デートの初々しさ、女性からの秘めた好きの気持ち、女性からの「ほら、早く告白しなさいよ、、」なんてニュアンスの余裕
とってもエモいではないですか。作詞家天才。
『肩に回した手が 少し慣れなれしい 軽くつねったら ちょっとブルーに目を伏せた』
この部分、まるで小説。
サビの『 pure pure lips 気持ちはYes』
『Yes』の言い方がとってもとっても色っぽい。この色っぽさ、さすがアイドル。
『君が、ス・ス・スキだと 急にもつれないで 時は逃げないわ』
この部分、髪にグリースを光らせて海へと誘う男の子とは思えない緊張ぶり。
それを見た女の子からの
『もっとスローに囁いて』
、、、何という可愛さ。
難解なメロディーに初々しい歌詞、そしてスーパーアイドル松田聖子。
いまだに聖子loverがたくさんいるのも充分に理解できる素敵な作品でした。