眼鏡は安心の証
今年息子は4歳で1歳から保育園に通っているので、保育園3年目。
3年経っても、気乗りしない日は行かなーいと、朝にストライキしがちな彼。
私だって10年経っても会社に気乗りしない日なんて、山ほどあるんだから、保育園に行きたくない日があって当然だと思っている。
ストライキが始まる朝は、なんとなく予感がする。
いつもはパッと起きるのに、なかなか布団から出ない時。
いつもは出された服を何も気にせず着るのに、これじゃないと突っ返された時。
いつもはお菓子なんて食べないのに、なんか甘いの食べたいと駄々をこね始めた時。
彼のスケジュールは、起きてご飯を食べて着替える。
母である私は、顔を洗ったり、ごはん準備したり、着替えを準備したりを合間合間にしている。
最後にメイクをして、着替えて終わりだ。
朝の忙しい時間であるけど、起きてから1時間も一緒にいられないから、出来るだけご飯を一緒に食べて顔を見て過ごしたいという気持ちがある。
でも、時間がない。
だから彼がごろごろして寝室から起きてこない間に、顔を洗ってコンタクトを入れることもある。
余談だけど、私は視力が悪く基本的にコンタクト、帰ってきてお風呂から出たら眼鏡に替えている。
起きてこない彼を起こしに、寝室に行って私の顔を見て絶叫したらストライキが始まったと思っていい。
「めがねかけてーーー!!」
私がコンタクトにすると出掛けるという方程式があるのか、眼鏡に戻せと泣き喚くのだ。
面白いなあ、と思う。
眼鏡の私は、まだ家にいて安心できるお母さん。
コンタクトにした私は、もう出掛ける意思を持って自分をせかしてくるお母さん。
きっと彼にはそう見えているのだと思う。
私としては出る時間は決まっているし、先にコンタクトにしたのも時間節約の為なだけなのに、それが裏目に出てしまうとは。
こうなるともう私が眼鏡を掛けるまで、彼は泣き止まない。
コンタクトユーザーの方はご存じでしょうが、コンタクトの上に眼鏡を掛けると視点が合わずクラックラする。
またコンタクトを外すのも面倒で、目の部分にレンズが来ないようずらして掛けて、お茶を濁す。
ひっくひっく肩を揺らしながら泣いている息子。
ごめんよ、またお母さんやってしまったよ、と反省する私。
保育園にお互い気持ち良く行ってもらうために、出来るだけ朝喧嘩をしたくないのに。
「もー、コンタクトしちゃったから無理だってーー!」
「やーーだーーー!」
時間がないというのは、本当に心の余裕をゴリゴリに削ってくる。
そんな私の心の焦りをきっと息子は何かで感じているのだろう。
へその緒で繋がっていたあの日々以上に、私と彼の情緒は薄いベールで一緒に包まれている。
朝一番で見るのは安心できるお母さんでいたい。
だから、今日も気を付けて眼鏡にするタイミングを計っている。
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